高山植物の宝庫・白山
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 白山は、養老元年(717年)泰澄大師によって開山された信仰の山です。開山には次の伝説があります。泰澄は、夢告を受けると、イザナギノミコトであり妙理大菩薩である女神の導きによって白山に登拝しました。そして頂上の池で一心に祈っていると、九頭龍王が出現し、まもなく十一面観音に変身したといいます。(山の宗教)(能郷白山大日ヶ岳毘沙門岳参照)
 また、ハクサンと名のつく高山植物は27種もあります。思いつくだけでも、ハクサンフウロ、ハクサンボウフウ、ハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、ハクサンチドリなどがあります。白山より西には2000mを越える高山がないため、たくさんの高山植物の西限や南限となっています。古くから植物学者が入ってきました。(白山)(北之俣岳参照)
 白山のお花畑の特徴は、量の豊富さと、草丈が高いことです。飛騨山脈などでは、目立たないクロユリも多く、たくさんの花を付けています。室道で白山のバッジを買うと、クロユリがデザインしてありました。ハイマツの群落もよく発達していて、ハクサンシャクナゲも混じっています。(花の名山100)
 白山のクロユリには、次のような話が伝わっています。戦国時代、越中富山城主の佐々成政は、白山千蛇ヶ池のクロユリを秀吉の北の政所に献上しました。ところが、北の政所だけに献上したことが淀君に知られました。淀君は、白山からたくさんクロユリを集めてこれみよがしに珍しくないと言ったそうです。佐々成政は、これがもとで失脚したということです。いかにもありそうな話です。(白山)
 白山の火山としての歴史は約30万年前に始まります。その火山体が侵食されたのち、約13万年前〜6万年前に活動をして、いったん3,000mの高度に達する成層火山になりました。その後、約4,400年前に山体が崩壊し、歴史時代に続く噴火活動で山頂部の火口群ができました。(アースウオッチングイン岐阜)(乗鞍岳焼岳御嶽山参照)
【参考】藤田庄市(2000):山の宗教、平凡社(別冊太陽)
上杉喜寿(1986):白山、岐阜県教販株式会社
月間趣味の山野草取材班ほか(1997):花の名山100、栃の葉書房
岐阜県高等学校地学教育研究会(1995):アースウオッチングイン岐阜、岐阜新聞社


飛騨側の登山道に咲くハクサンフウロ
【登頂日】1994年7月23日など
【標高】2702m
【場所】岐阜県大野郡白川村
【記録】(7月23日)11:40 大白川発 14:00 大倉山避難小屋 15:00 大倉山避難小屋発 16:40 室堂着 (7月24 日) 3:45 室堂発 4:40 御前峰山頂 6:05 御前峰発 6:45 大汝峰分岐 6:55 大汝峰山頂 7:05 大汝峰発 7:20 千蛇が池 7:30 千蛇が池発 7:50 室堂(近道) 8:10 室堂発 9:10 大倉山避難小屋 9:40 大倉山避難小屋発 10:55 大白川着