唐塩山のカラマツ林
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 唐塩山は、加子母村小郷の東方にそびえる山です。尾根は小秀山につながっています。山頂は、中間温帯林共通のヒノキの巨木に囲まれています。(高森山参照)
 唐塩山の山名については不明ですが、稜線上はカラマツ(唐松)林が黄葉していました。カラマツは、陽性の樹木で、川の氾濫原や山火事の跡などにいちはやく生育します。生育が早いことから、寒冷地や高海抜地で植林されることが多い樹木です。(針葉樹)(黒手山参照)
 カラマツは、中部地方の山岳地域中心に自生する日本の特産種です。針葉樹としては珍しく、晩秋には黄金色の葉に変わり落葉します。植林もさかんであるので、自生かどうかは区別がつかないことが多いようです。(野山の樹木観察図鑑)
 唐塩山への登山道はありません(最近、木曽越峠から唐塩山、前山、小秀山のルートが整備されたようです。 UJTの部屋参照)。そこで、山の西側の二渡付近から自動車で林道に入りました。標高1,100m付近の林道終点付近まで入り、アツ谷(地図では番田の北側から東北に伸びる谷)をつめました。谷には植林道が所々残っていました。途中、平成8年度木曽越林道の標識のある林道を横切りました。稜線に出ると、また別の林道(崩壊が大きい)がありました。東側の付知峡方面から伸びているようです。この林道を山頂近くまで歩き、山頂へ続く尾根道をたどりました。この道は前山、小秀山方面につながっていました。
 山頂三角点は、稜線上の歩道から西にずれています。地図でよく確かめて、歩道の西側の三角点を捜さなければいけません。思ったよりも容易に登頂できました。
 岐阜百山によると、この山の中腹には、御嶽様と呼ばれる祠があるようです。ふもとの小和知地区の人達が毎年8月4日に参拝するといいます。唐塩山も御嶽信仰の山のひとつです。(御前山下呂御前山拝殿山参照)
【参考】中川重年(1994):針葉樹、保育社
岩瀬 徹(1998):野山の樹木観察図鑑、成美堂出版
岐阜県山岳連盟(1975):岐阜百山、岐阜日日新聞社

山頂に続く稜線と黄葉したカラマツ林
【登頂日】1997年10月26日
【標高】1609m
【場所】岐阜県恵那郡加子母村
【記録】11:00 下林道アツ谷1100m 11:43 木曽越林道着1310m 11:50 木曽越林道発(横切るアツ谷) 12:45 林道(荒廃)1520m林道歩き 13:10 山頂付近 13:35 1660m峰着(昼食) 14:10 1660m峰発(戻る) 14:50 唐塩山頂着 15:05 唐塩山頂発 15:26 林道下降地点1520mアツ谷へ 15:43 木曽越林道1310mアツ谷 16:15 下林道1100m(自動車)