六谷山(ろくたんやま)のナナカマド |
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六谷山(ろくたんやま)は、岐阜県と富山県境にあります。地図では無名です。「飛騨の山々」によると、その名は、この山を源として流下する谷の多さを「六」と表したからだといいます。谷は越中一帯では「たん」と呼称するようです。岐阜県には、他に尾根の多さから、その名がきた八尾山があります。(八尾山、六方山参照) 稜線一帯には、ナナカマドが多いため、至るところで赤い実がきれいでした。ナナカマドは、山地帯上部から亜高山帯の林地に生える樹木です(葉でわかる樹木)。秋の真っ赤な紅葉や赤い果実で知られます。その名は材が燃えにくく、7回かまどに入れても燃え尽きないといわれたことからきています(野山の樹木観察図鑑)。ナナカマドは、上高地涸沢の紅葉の写真などでおなじみです。 樹林は、ブナとチシマザサがセットになっていて、典型的な日本海側の植生です。冬は豪雪地帯であり、年間降水量が内陸よりも多いため、飛騨内陸部の山々のようにヒノキはありません。(高森山参照) 六谷山へは、神岡町東茂住から富山県長棟に抜ける茂住峠の林道に入ります。林道はかなり悪路ですが、アウトドア車なら大丈夫です。茂住峠の頂上に自動車を置き、そこから北側の巡視道を登ります。道は山頂近くの反射板の巡視路であるためよく整備してあります。峠の向こうの富山県長棟は廃村となって久しい秘境です。チシマザサの山頂からは、飛騨山脈北部、飛騨北部、そして富山平野が眺められます。剣、立山、薬師、黒部五郎、笠そして御嶽まで見えます。やはり1等三角点の山だと思いました。大きなブナの木もありました。 【参考】酒井昭市(1990):飛騨の山山(ヤブ山編)、ナカニシヤ出版 馬場多久男(1999):葉でわかる樹木、信濃毎日新聞社 岩瀬 徹(1998):野山の樹木観察図鑑、成美堂出版 |
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【登頂日】2003年9月23日 【標高】1398m 【場所】岐阜県吉城郡神岡町 【記録】】11:20 長棟林道茂住峠 11:55 稜線(左折) 12:25 山頂着 13:25 山頂発 13:35 反射板 13:45 山頂着 13:50 山頂発 14:15 稜線 14:40 茂住峠 |
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