栃尾山のトチノキ
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 栃尾山へは、朝日村一之宿から延びる林道を利用しました。自動車を置いて、林道沿いの小末谷を歩いていると、山名となっているトチノキを発見しました。かつては、トチノキの多い山であったかどうか定かではありませんが、嬉しくなり写真を撮りました。栃の実は落ちた後で、皮が散乱していました。実は動物が食べたようで落ちていませんでした。山の反対側の大坊谷は、植林が進んでいるためトチノキはないといいます(飛騨の山山)。このトチノキは貴重かもしれません。(松ヶ洞山黒手山漆山岳オコズリ山参照)
 トチノキは、深山の渓流沿いに生える樹木です(野山の樹木観察図鑑)。「木の名前」によると、その種子はサポニンなどを含んでいるので苦いのですが、十分に精製すればデンプンが採れます。それでトチ餅などに利用されます。またトチノキのトは十の意で、実が多いことを意味します。
 一之宿からの林道は、道幅が狭く上部は荒れています。方向転換できる場所も少ないので、自動車は下のほうに置いたほうが安心です。標高1150m付近が崩壊していますが林道終点です。地形図ではここから歩道が谷沿いにあります。しかしはっきりしません。そこで、右の斜面(アカマツ林の尾根)を登りました。林床のササは薄いので楽に登れます。稜線付近で、わずかの間ややササが深くなります。稜線に出るとササの刈り払い道があるので、降り口の目印を着けたら左に進んで山頂です。
 山頂付近は、北側がカラマツ林、南側がコナラ、ホウノキ、シラカンバ、ブナなどです。ササは、ミヤマクマザサ(葉の裏に毛がある)がほとんどでした。一部イブキザサ(葉の裏に毛がない)があります。山頂は平坦地です。樹木があるため展望はありませんでした。
【参考】酒井昭市(1990):飛騨の山山(ヤブ山編)、ナカニシヤ出版
岩瀬 徹(1998):野山の樹木観察図鑑、成美堂出版
岡部 誠(2001):木の名前、婦人生活社
沢沿いにあったトチノキ
【登頂日】2003年9月27日
【標高】1351m
【場所】岐阜県大野郡朝日村
【記録】】12:15 小松谷林道(一之宿)自動車(1050m) 12:40 林道終点(1150m 右側斜面を登る) 13:20 稜線(左折) 13:35 山頂着 14:20 山頂発 14:40 稜線分岐(降口) 15:00 林道終点 15:20 自動車