見当山のシシ穴

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 見当山は、大野郡荘川村と郡上市高鷲町の間にありますが、山頂は荘川村に属します。見当山の名の由来はわかりませんが、新撰美濃誌の鷲見村の項の記述に次のようにあります。「東北に、見違山、鷲ヶ嶽等聳え、郡上郡中何れの村落にも懸隔す。」見当山は、鷲ヶ岳のすぐ近くにあることから、見違山が現在の見当山のようです。蛭ヶ野高原の向こうに見える山なので、目印となる山だったと想像されます。
 その見当山へは、郡上高原奥のゴルフ場の近くの林道を利用して登れます。林道を行くと、オリエンテーリングの道が尾根まで上がっています。尾根まで登ると、長径2m程度の楕円形の穴がいくつもありました。そのひとつの標識にしし穴とありました。郡上八幡は、シシ肉集散地のひとつで、しし猟の盛んな地域です。しし穴は、落とし穴でここにわなをしかけたようです。
 イノシシは、かつて北海道を除く日本全域に生息していましたが、明治20年代ころ東北地方の大部分で絶滅してしまいました。ちょうどこのころ、奥飛騨でも絶滅したと伝えられます。豚コレラが流行したともいいますが実態はよくわかりません。ところが、イノシシは昭和30年代ころから再び増え始め、清見村や高山市付近でも、イノシシによる農作物の被害が目立ちはじめました。イノシシは雪に弱い動物で、積雪が50cmもあれば行動の自由を奪われます。56豪雪のときは、雪の比較的少ない里山にイノシシが出た結果、岐阜県では過去最高の豊猟でした。(岐阜ふるさとと動物たち)(仏ヶ尾山猪臥山参照)
【参考】岡田 啓(1860):新撰美濃志、大衆書房(復刻版)
岐阜県哺乳動物研究調査会(1982):岐阜ふるさとと動物たち、岐阜日日新聞社

稜線上のしし穴(右手)
【登頂日】2004年10月24日
【標高】1352m
【場所】岐阜県大野郡荘川村、郡上市高鷲町
【記録】11:45 カントリークラブ林道入口 12:10 P19標識(ここまで林道) 12:25 尾根 12:30 P16標識(P17) 12:40 山頂着 13:16 山頂発 13:27 P16 13:34 尾根から降口 13:42 P19(ここから林道) 13:57 カントリークラブ林道入口