滝ヶ洞山と大倉滝
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 「飛騨の山山」によると、滝ヶ洞山は滝が多いことからの山名のようです。また、山の南には、山名に直接関係あるかどうかわかりませんが大倉滝があります。大倉滝の遊歩道は、高山から郡上八幡にぬける、せせらぎ街道のすぐ近くにあります。
 大倉滝の渓谷は、他に羽衣滝、登竜門滝等が次々と連続し、国府町の宇津江四十八滝に似ています。両者とも、濃飛流紋岩の急峻な渓谷であることと、谷川の水量が豊富であることが共通しています。
 濃飛流紋岩とは、岐阜県の面積の約3分の1を占め、約8000万年前から約5500万年前(中生代白亜紀後期から新生代古第三紀)にかけての激しい火山活動による岩石です。成因による岩石の分類では、溶結凝灰岩といいます。火山噴出物が厚く堆積し、その熱で再び溶融してたいへん硬い岩石となりました。(アースウオッチングイン岐阜)(大沢上山参照)
 滝ヶ洞山の名は、斐太後風土記にも出てきます。ただし、後風土記の地図では、小鳥峠の北側にその名があり、南側にある現在の滝ヶ洞山の位置と異なっています。後風土記編集時の誤りか、国土地理院の地図作成時の誤りか現在となってはわかりません。
 滝ヶ洞山へは、大倉滝の遊歩道から登りました。滝上部の林道に入り、村有林の境界切開きの尾根に入ります。しかし尾根の途中からやぶこぎになります。尾根が複雑に分岐しているので地図の読図が必要です。
【参考】酒井昭市(1990):飛騨の山山(ヤブ山編)、ナカニシヤ出版
岐阜県高等学校地学教育研究会(1997):アースウオッチングイン岐阜、岐阜新聞社社
富田禮彦(1873):斐太後風土記(上巻)、雄山閣(復刻版)
落差30mの大倉滝(斐太後風土記にも紹介されている)
【登頂日】2004年10月11日
【標高】1249m
【場所】岐阜県大野郡清見村
【記録】】10:20 大倉滝遊歩道入口 10:50 林道 11:10 村有林境界見出し 11:50 南西尾根分岐 12:10 南西尾根分岐(やぶこぎ) 13:30 山頂着 14:15 山頂発 15:30 南西尾根分岐 16:00 林道(村有林境界入口) 16:15 大倉滝遊歩道 16:35 遊歩道入口