日ノ観ヶ岳と旭の里
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 日ノ観ヶ岳は、大野郡久々野町と朝日村の境にあります。名の通り、太古の太陽の遥拝所だったといわれます。御来光の昇る東方には、乗鞍岳と御嶽を望めます。眼下の里を旭の里といいました。それが今の朝日村です。頂上に石塔を建て、日ノ観ヶ岳を祀りました。(史跡と史話)(乗鞍岳源氏岳参照)
 朝日村誌によると、山頂の西南の中腹に仙人窟という岩窟があります。言い伝えでは、ここには仙人が住んでいました。山頂近くで、明治中期に石臼が発見されています。以上のことなどから、村誌は山中に先住民や木地師がいたと推定しています。
 また地元では、木曽義仲が平家追討のため益田川筋を通過したとき日ノ観ヶ岳に登頂したことや、小谷の長円寺の元祖、小谷山城守の砦がこの山にあったことが伝えられています。(続ぎふ百山)
 現在、日ノ観ヶ岳の山頂には、阿弥陀堂があります。そこの説明板によると平成9年、朝日村大字小谷の篤志家が建立したものです。小谷から林道に入りました。山頂南の林道終点近くから町村境に沿って登山道があります。終点の手前に阿弥陀堂登山道の標識があるので、ここから30分弱で登れます。山頂の西側の岩屋からは、高屹山や黒手山そして船山、御嶽、東側の岩屋からは乗鞍、笠、黒部五郎、北之俣が見えました。阿弥陀堂の中には黄金色の阿弥陀如来が鎮座していました。(弥陀ヶ洞山参照)
【参考】久々野町ふるさと文庫刊行会(1987):史跡と史話、久々野町
朝日村誌編集委員会(1959):朝日村誌、朝日村
岐阜県山岳連盟(1993):続ぎふ百山、岐阜新聞社

山頂から東方の乗鞍岳
【登頂日】2002年4月29日
【標高】1106m
【場所】岐阜県大野郡朝日村
【記録】13:10 林道終点 13:35 山頂着 14:40 山頂発 15:05 林道終点