船山と舟山神社 |
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位山三山のひとつ、船山の山頂の巨石には舟山神社の社殿があります。ここには、位山の天照大神の御子、天忍穂耳尊(あめのおしねにのみこと)を祀るといわれます(位山参照)。また舟山神社は、ふもとの無数河の人にとって、雨乞いの神様でした。江戸時代以前は、田に引く水路も漏水が多く、山水利用のほとんどの水田は水温が低くて稔りが悪いうえ、雨が降らないと飢饉になりました。 船山での雨乞いは次の手順で行われました。無数河の代表4人が神官とともに里の舟山神社にお参りします。次に代表者を決めます。神官が榊でお払いをしたとき、榊に飛びついた紙片の氏名の人が代表者です。紙片は、4人の氏名を別々の紙に書き、それぞれ蝶結びにしたものです。代表者は、背負い輿に神移しをして、山頂の舟山神社に登って雨乞い神事をしました。(雨乞棚山参照) 船山は、久々濃山ともいいました。久々野町史によると、「その昔、宮殿縁起によると、両面四手(両面宿儺)と言うものが雲の波を分け、船に乗ってやって来た。位山に位を授け、船を止めた所が船山である。」との記述があります。(乗鞍岳参照) 今、船山の山頂には、テレビ塔や電波塔が林立していて、久々野町から自動車で山頂に行けます。しかし、裏側の位山峠から、「風と光の道」という登山道から山旅ができます。山頂は位山と同じようになだらかな平坦面です。三角点は林道のすみにありました。下のほうはブナ林ですが山頂付近ではヒノキが目立ちます。 【参考】久々野町ふるさと文庫刊行会(1987):史跡と史話、久々野町 久々野町史編纂委員会(1957):久々野町史(全)、久々野町役場 |
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山頂の舟山神社(裏に巨石がある) |
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【登頂日】1997年11月9日など 【標高】1480m 【場所】岐阜県大野郡久々野町 【記録】13:03 位山峠(川上岳展望ルート) 13:50 あららぎ湖方面分岐 14:20 休憩所 14:35 山頂着 15:15 山頂発 15:30 休憩所 15:45 あららぎ湖方面分岐 (位山展望、瀬音ルート) 16:05 県道 16:10 位山峠 |