穂高岳の花崗閃緑岩
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 岳人のあこがれの山、穂高岳は四方を岩の鎧で囲まれています。奥穂高岳の標高2,600m以上の岩体は、約240万年前の火山から噴出した溶岩です。この溶岩を穂高安山岩といいます。また、井上靖の小説「氷壁」の舞台の滝谷付近は、地下深い場所でゆっくり(ただし何十万年以上かけて)固まった溶岩が、火山から噴出した穂高安山岩の間に割り込んでいます。割り込んでいる溶岩は、滝谷花崗閃緑岩(たきだにかこうせんりょくがん)といい、140万年〜100万年くらい前に地下で冷却してできました。
 滝谷花崗閃緑岩は、地表で見られる世界で最も若い花崗岩体です。地下でできた花崗閃緑岩が地表にあることは、飛騨山脈が急速に隆起したことを示します。つまり100万年の間に飛騨山脈は隆起し、特に過去数10万年の間に2,000m以上も隆起しました。(流葉山参照)(黒部五郎岳参照
 ここでいう急速とは、地質的な時間でのことです。ちなみに恐竜が滅んだのが、6500万年くらい前、人類の祖先が現れたのが200万年くらい前、縄文時代は1万年前〜数1000年前です。
 新穂高新穂高温泉から、槍平に向けて歩くと滝谷の下を通ります。名のごとく滝が谷の奥に見えます。滝谷の河原の岩石はほとんどが滝谷花崗閃緑岩です。白地の岩石にごま粒状の黒雲母が入っています。
【参考】原山智(1990)上高地地域の地質、地質調査所
岐阜県高等学校地学研究会(1995):アース・ウォッチング・イン・岐阜、岐阜新聞社


滝谷
【登頂日】1997年8月23日〜24日など
【標高】3190m
【場所】岐阜県吉城郡上宝村
【記録】(8月23日) 7:45 新穂高温泉 8:20 穂高平小屋着 8:30 穂高平小屋発 9:07 白出小屋着1540m 9:15 白出小屋発 10:15 重太郎橋着1920m 10:25 重太郎橋発 12:20 雪渓着2560m 12:50 雪渓発 14:37 穂高岳山荘2980m
(8月24日) 6:00 穂高岳山荘発 6:42 奥穂高岳山頂着 7:10 奥穂高岳山頂発 8:00 ジャンダルム着 8:20 ジャンダルム発 9:23 岳沢分岐着 9:35 岳沢分岐発 10:50 間の岳 12:00 西穂高岳山頂着 12:20 西穂高岳山頂発 13:00 ピラミッドピーク 13:15 独標 13:55 西穂山荘着 14:40 西穂山荘発 15:30 新穂高ロープウエイ 休憩 17:30 新穂高温泉