羊背岩のある山・黒部五郎岳
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 黒部五郎岳は、五郎のカールで有名です。そのカールの中では、林立する羊背岩が特にみごとです。羊背岩とは、羊の背のような丸いコブ状の岩の突起のことです。固い岩盤が氷河時代に、氷河によって磨かれた結果できました。氷河にみがかれて岩盤がツルツルになっている場合もあります。また、氷河の流れた後の筋模様がツルツルの羊背岩の表面に着いていることがあります。これを氷河擦痕といいます。
 写真中央部の岩塊は、すべて羊背岩です。岩石の上流側の傾斜はゆるく、こちらへ向いている下流側の面の傾斜は急になっています。
 五郎のカールは、雪が消えても小川が流れていてすばらしい風景です。カールには雷岩という2つに割れた巨岩があります。これは、落雷で割れたのではなくて、氷河がこの石を乗せて流れてきた後溶けてしまい、この石を置き去りにしたものでしょう。このように氷河が運んだ石を迷子石といいます。カール下方にはまた、長さ1kmにわたるモレーンもあります。モレーンは、氷河が下流で溶ける場所にできる堤防状の地形です。そこには、上流から氷河が運んだ土砂が堤防状に堆積します。(笠ヶ岳参照
【参考】小泉武栄・清水長正(1992):山の自然学入門、古今書院

五郎のカールの羊背岩

【登頂日】2000年7月23日など
【標高】2840m
【場所】岐阜県吉城郡神岡町
【記録】(7月22日)6:10 笠ヶ岳テント場発 6:30 抜戸岩 6:53 笠新道分岐着 7:00 分岐発 8:20 秩父平 9:55 大ノマ乗越着 10:05 大ノマ乗越発 10:33 弓折岳 10:43 小池新道分岐 12:07 双六小屋着 13:00 小屋発 13:20 分岐(下の巻道へ) 15:10 三俣山荘分岐 15:35 三俣蓮華岳山頂 16:10 三俣山荘方面からの合流地点 17:17 黒部五郎小屋テント場着
(7月23日)6:15 黒部五郎小屋テント場発 9:05 山頂分岐 9:25 黒部五郎岳山頂着 10:00 山頂発 10:15 山頂分岐 12:10 中俣乗越着 12:25 乗越発 13:45 赤木岳雪田着(スケッチ) 14:30 雪田発 15:05 北之俣岳山頂着 15:20 山頂発 15:30 神岡新道分岐 16:55 北之俣岳避難小屋着
(7月24日) 6:00 避難小屋発 6:48 寺地山着 7:15 寺地山発 8:00 仙人峠(飛越新道分岐) 8:45 水の平 9:03 打保乗越着 9:15 乗越発 11:05 北俣川着 11:20 北俣川発 13:25 打保乗越 14:08 神岡新道起点 15:15 打保(自転車) 15:40 夕顔の駅レストラン 16:20 駅出発 17:48 山吹峠 18:27
駒止橋