ダケカンバとシラカンバ・日影平山
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 日影平山は、高山市の国立乗鞍青年の家の背後の山です。付近は日影平という高原状の絶景地です。乗鞍岳や笠ヶ岳の勇姿を望めます。乗鞍岳登山道の基点ともなっています。
 付近は、ダケカンバ、シラカンバ、カラマツ等の林が広がっています。そして、ダケカンバとシラカンバが混生しているのが特徴です。両者ともカバノキ科に属し、日当たりを好むことは共通しています。またダケカンバは、中部地方では標高1,500m以上に生育し樹皮が赤みがかっているのに対し、シラカンバは1,500m以下の高原に生える樹皮が白い木です。さらに、シラカンバは、夏冬の気温差が大きく積雪の少ない内陸性気候を好み、豪雪地帯にはない樹木です(丸黒山参照)。その生育地は土地がやせている場合が多く、シラカンバ林はブナ林に代わる前の段階の森林です。日影平付近は、標高が1,500m内外なので、両者の木の境界地帯に属します。そのため混生地となってます。(北アルプス山楽山歩、森を読む、飛騨の自然散歩)(黒手山参照)
 日影平は、尾根上の高原なので日当たりが悪いわけではありません。付近に日影や日向という集落があり、日影橋、日影峠という地名もあることから、これら一群の地名のひとつとして名付けられたと考えられます。日影平山へは、乗鞍青年の家の裏の林道を約20分登り、林道終点の標識に従って10分程度で登れます。林道終点からは別に丸黒山経由、乗鞍岳に続く道もあります。(寒陽気山参照)

【参考】小野木三郎(1989):北アルプス山楽山歩、教育出版文化協会
大場秀章(1991):森を読む、岩波書店
飛騨高山ふるさとを歩こう会(2001):飛騨の自然散歩、飛騨高山ふるさとを歩こう会

混生するダケカンバ(赤みがある)とシラカンバ(白色)
【登頂日】2002年6月15日
【標高】1595m
【場所】岐阜県高山市
【記録】9:00 青年の家 9:20 林道終点 9:25 日影平山 9:30 林道終点 9:45 ブナノキ平着 10:05 ブナノキ平発 10:20 林道終点 10:35 青年の家