湯ヶ峰と下呂温泉
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 日本三名泉のひとつ、下呂温泉の背後に荒荒しい崖のある山があります。それが湯ヶ峰です。湯ヶ峰は名の通りお湯が湧き出ていたと伝えられる山です。それは、延喜年間(901‐923年)とも天暦年間(947‐957年)ともいわれますが定かでありません。その後大地震があり湯は止まってしましました。ところが、文永2年(1265年)、益田川の河原に温泉が見つかりました。(岐阜県の名湯、秘湯)
 その温泉の発見には白鷺伝説があります。ある日、村人が川岸を歩いていると1羽の白鷺が河原に舞い降りて、その後動こうとしません。村人が不思議に思い近づいて見ると、足をけがしている白鷺が飛び立ちました。村人は、白鷺が足を浸していた水溜りに触れて見ました。それは温泉だったのです。また、白鷺が飛び立ってとまった木の下に薬師如来の尊像がありました。村では、病気を治す薬師如来が白鷺の姿になって温泉を教えてくれたという評判が広がりました。その薬師如来を御祭りしているのが今の温泉寺です。(わたしたちの岐阜県の伝説)
 下呂温泉には、この伝説にちなんだ白鷺物語というお菓子のお土産あります。公衆浴場に白鷺湯と薬師湯がありました。(薬師湯は廃業)
 湯ヶ峰付近は、林道が山頂のすぐ北側にできて、そこから10分程度で登れます。湯が出ていたという湯壷は、林道沿いにあります。山歩きとしてもの足りない場合は、下から歩くことができます。
【参考】朝日新聞社岐阜支局(1990):岐阜県の名湯・秘湯、郷土出版社
後藤時夫(1972):わたしたちの岐阜県の伝説、大衆書房

湯の平の湯壷跡
【登頂日】2002年6月2日など
【標高】1067m
【場所】岐阜県益田郡下呂町
【記録】11:25 登山道入口(標高780m) 11:52 山頂着 11:55 山頂発(南側湯壷跡ヘ) 12:03 湯壷跡(林道で山頂を巻く) 12:25 入口