ふるさとの山・高城山
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 高城山は、益田郡萩原町と馬瀬村の間にあり、川上岳につながる連嶺にあります。国道41号線を下呂町から萩原町へ北上すると、左手奥に見える山です。山頂近くに反射板があるのでわかります。
 高城山は地図では無名ですが、季節を知らせるふるさとの山です。「萩原の四季と味」を読むと、「まわりの田んぼ一面に、霜の降りる日がつづき、やがて、高城(尾崎の山)の頂に雪を見るようになると、山からのハルキ(まき)寄せ、漬け物の菜洗いなど、冬のやわい(準備)がせわしくなってきます。」とあります。ふもとの尾崎小学校の校歌にも歌われている山だそうです。
 高城山の名の由来は不明です。しかし、山頂付近の雪が冬の到来の目印になっていたことから、高シロと呼んだことが山名の始まりかもしれません。(見量山参照)
 明治期の「飛騨山川」の山嶽の項では、「位山(1300)、内ヶ谷山(1300)に起り、川上嶽(1400)に連り高城山(1476)に至りて最も高く、これより次第に低夷して−−」と記してあります。当時は、川上岳よりも高城山のほうが高いと考えられていたようです。
 江戸期の「飛騨国中案内」を読むと、高城山の名は出てきません。そのかわり、現在の萩原町尾崎・山之口と馬瀬村黒石の間の山として、「はんのき平山」の名が出てきます。つまり「山之口本村より川西に当り見る山は【はんのき平】という山なり、是も馬瀬郷黒石村の奥頂上なり、−−」とあります。山之口村誌にも、高城山ロボット雨量観測所の説明の中でハンの木平の地名が出てきます。
 高城山へは、馬瀬側の黒石から林道が延びているのでこれを利用します。林道終点から反射板の巡視道があります。反射板からは20分程度のやぶ漕ぎです。
【参考】萩原文庫編集委員会(1981):萩原の四季と味、はぎわら文庫第4集
岡村利平(1911):飛騨山川、大衆書房(復刻版)
上村義満(1746):飛騨国中案内、大衆書房(復刻板)
山之口村誌編集委員会(1987):山之口村誌、山之口村誌編集委員会
山頂付近から川上岳
【登頂日】1998年5月5日など
【標高】1511m
【場所】岐阜県益田郡馬瀬村
【記録】】9:50 黒石林道終点(巡視道) 10:10 反射板着 10:20 反射板発 10:45 山頂着 11:53 山頂発 12:08 反射板 12:27 黒石林道終点