ブナの宝庫だった白木峰(しらきみね)
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 白木峰は、富山県境の山です。飛騨越中国境論争の場でもありました。山名は、いっぱんに「しらきみね」といいますが、元は「しろきみね」といいました。ヒノキをシラキ、ブナをシロキといい、ブナの多い付近を白木峰(しろきみね)と呼んだといいます。(越中の百山)
 山腹から南麓の万波平にかけてブナ、ナラの良材を産し、特に幕府領時代御用材の払い下げしたものを、「しらき」と呼び山麓一帯は白木ヶ原と呼ばれました。(角川日本地名大辞典)
 国境論争は、遠く鎌倉時代からあり、越中桜井庄安養寺と飛州千光寺の寺領争いにさかのぼります。長い舞台の幕が降りたのは、昭和45(1970)年6月16日、関係者の立会いの元に境界確認のくい打ちが成されたときです。(岐阜百山)
 それまでの地図には、小白木峰の西方には県境線がひかれていませんでした。(富山県山名録)(唐掘山参照)
 白木峰へは、万波から小坂谷に入り、小白木峰登山口(看板あり)から小白木峰経由で登りました。岐阜県側からもしっかりした道があります。山上は、のびやかな隆起準平原でした。名物のニッコウキスゲはまだでしたが、ササユリが咲いていました。展望は抜群。視界の良いときは富山湾から御嶽、富士山も見えるようです。
【参考】富山県教職員山岳研究会(1973):越中の百山、北日本新聞社
角川日本地名大辞典編集委員会(1980):岐阜県、角川書店
岐阜県山岳連盟(1975):岐阜百山、岐阜日日新聞社
橋本 廣・佐伯邦夫(2001):富山県山名録、桂書房
白木峰山頂付近
【登頂日】2004年6月4日
【標高】1596m
【場所】岐阜県飛騨市宮川町
【記録】】12:15 小坂谷登山口 12:50 小白木峰着 13:00 小白木峰発 14:15 白木峰着 15:20 白木峰山頂発 16:30 小白木峰着  17:00 登山口