活火山のアカンダナ山
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 平湯温泉には、アカンダナ駐車場がありますが、その背後にそびえるのがアカンダナ山です。アカンダナ山は、一万年前以降の火山活動の痕跡があるため、2003年に新たに活火山と認定されました。その山体は、溶岩ドームであり、溶岩流が南側の安房平をせきとめ、そこに湖があったことがわかっています。山の北西側には、白谷の崩壊地がせまっており、火山からの火砕物質が荒々しくむき出しになっています。
 アカンダナ山の三角点名が、赤棚であるので、この山名の由来は、このへんにありそうです。江夏美好の「雪の碑」には、平湯の区有林を「赤んだな」と記してあります。この本は、大正期の社会教育家「篠原無然」について書いてあり(福地山参照)、現地取材が元になっているので、アカンダナは当時からあった地名です。付近には、大棚という地名もあり、山中の棚状(階段状)の平らな地形を棚とよぶようです。実際にアカンダナ山に登ると、白谷の山頂下の1900m付近が棚状の地形になっています。
 アカンダナ山は、平湯の背景にすくっと立つ山にもかかわらず、スキー登山以外では、あまり登られていません。スキー登山では、積雪期に安房平から登ることが多いようです。今回は、アカンダナ駐車場近くのゲートから国道を歩き始め、国道の最初のカーブから、営林署の境界道に入り、白谷を左に見ながら登りました。境界道には、神岡営林署の境界標識が所々ありました。しかし、標高1600m付近から、道が不明瞭になります。
 1679m標高点からは、白谷の崩壊地が稜線の左側を切っています。標高1700m付近から雪面が現れました。白谷崩壊地の上部付近から地形がなだらかになり、そこを過ぎると山頂部をつくる溶岩ドームの急斜面になりました。オオシラビソの点在する山頂部は平坦でした。山頂からは、白谷山、焼岳、穂高岳方面、輝山(てらしやま)や、乗鞍岳など、周囲の山が一望できます。山頂近くでは平湯の温泉街もはるか下方に見えました。
【参考】江夏美好(1980):雪の碑、河出書房新社
原山 智(1990):上高地地域の地質、地質調査所
山頂から白谷山(左)・焼岳(中央)・穂高岳(右)
【登頂日】2008年4月29日
【標高】2109m
【場所】岐阜県高山市奥飛騨温泉郷
【記録】10:15 平湯アカンダナ駐車場近くの国道ゲート(安房峠の国道は5月末まで閉鎖。国道を歩き最初のカーブから営林署の作業道に入る.。白谷を左に見ながら尾根道を直登する。1600m付近から道が不明瞭になる。) 11:40 1679m標高点(ここから尾根は直角右に曲がり、左手に白谷の断崖がせまる。尾根の右側を慎重に登る。) 14:00 山頂着 14:40 山頂発 15:35 1679m標高点 16:25 ゲート

【記録2、2012年9月27日】8:50 上のカーブ(1400m) 9:50 1679m標高点 13:20 山頂着 14:05 山頂発 16:00 1679m標高点 16:40 上のカーブ(自動車)