雪時雨の箱岩山
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 箱岩山へは、雪時雨の中を登りました。天気図は冬型、現地の天気は雪がちらついたり青空が一部に見えるという天気でした。山頂の北側の箱岩からは、白川町黒川の集落や捨薙山が見えましたが、遠くは雪時雨で見えませんでした。日本海側の降雪域はここまで達していないようです。
 冬型気圧配置のときの天気の境(天気界といいます)を分布図にすると、境は箱岩山付近より北側の飛騨南部から、西側の美濃西部あたりになることが多く、山の積雪も飛騨南部以南では急激に減少します。箱岩山をはじめ付近の山域や阿寺山地南部は、ちょうど岐阜県の南東部に位置し雪の少ない山域です。(高樽山参照
 理由は、位置的に太平洋側になるためと標高が1,000m内外で低いためです。箱岩山付近より東側の阿寺山地は、標高が1,500mを越えるため積雪はもっと多くなります。そして、日本海側にあたる飛騨(岐阜県北部)や奥美濃(岐阜県西部)の山々は、雪にすっぽり覆われるわけです。
 また年によって異なりますが経験的には、この付近の山の積雪は2月にもっとも多くなり、1月はそれほどではありません。登山当日は2月にもかかわらず、箱岩山の雪はひざ下程度までしかありませんでした。もう少し北の下呂町寺田小屋山の山頂付近では積雪が腰以上もあり登頂を断念したこともあります。
 胡摩草峠の手前、黒川側の橋に自動車を置いて箱岩山へ登りました。スギの植林地の中を歩くと小道を発見。稜線まで登ってから道を北にたどると山頂がありました。頂上はアカマツ、ブナ、ヒノキ等に囲まれていましたが明るい感じでした。
【参考】荒井隆夫・渡辺次雄(1960):天気学、技報堂全書
高橋百之(1968):日本の冬季における天気界、気象研究ノート98号


箱岩からの雪時雨(黒川・捨薙山方面)
【登頂日】1999年2月21日
【標高】979m
【場所】岐阜県加茂郡白川町
【記録】12:05 胡摩草峠手前の橋(720m) 12:35 稜線(940m) 12:50 山頂着 13:40 山頂発 13:53 稜線から谷へ 14:08 橋(自動車)