簗谷山とブナの木ルート
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 飛騨金山の森を経て弓掛川をさかのぼると簗谷山があります。古い地図には、弓掛谷沿いに簗谷の地名があることから、人家があったと思われます。簗谷山の登山道は、入口でブナの木ルートと南尾根ルートに分かれ周遊できます。
 ブナの木ルートの尾根に上がるとブナ林があります。ブナは、日本海側の多雪地で順林をつくる樹木です。簗谷山のブナ林は、南飛騨の山としては珍しい存在です。南飛騨の山地の尾根や山頂部は、ヒノキ林になっていることが多いからです。南飛騨では冬の降雪が少なく、乾燥した痩せ地に強いヒノキが優先しています。簗谷山は、南飛騨の中でも西端に位置するため、冬の積雪が比較的多いのではないかと推測されます。
 簗谷山入口の案内板には、ニホンジカの絵が書いてあります。また、南尾根ルートに子ジカの涙という滝があります。付近は、ニホンジカの生息地でもあるようです。ニホンジカは雪に弱く、岐阜県ではどちらかというと南部山地を中心とした地域に生息しています。
 ブナ林とニホンジカの組み合わせは、簗谷山が飛騨と美濃の境界にあるという地理的な位置が影響しているようです。
 山頂からは、御嶽山から乗鞍岳、笠ヶ岳に連なる白銀の山々を展望できました。
山頂部付近より御嶽山
【登頂日】2011年5月5日
【標高】1213m
【場所】岐阜県下呂市金山町
【記録】11:15 登山口(ブナの木ルート) 12:30 山頂着 12:55 山頂発(南尾根ルート) 13:30 小鹿の涙 13:55 登山口