焼山と焼畑
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 焼山は全国各地にあり多くは火山ですが、美濃焼山は火山ではありません。山頂部が濃飛流紋岩類(8500万年前から6800万年前の火砕流起源の硬い岩石)からなり、そのまわりは美濃帯の堆積岩(数億年前)からなります(小井土、2011)。
 山頂部は、岩石が硬いために侵食されにくく、残ったものです。いわゆる火山は、数百万年前以降の活動期間であり、活動が終わると、数十万年で火山体の地形が侵食されて無くなってしまいます。
 美濃焼山は、焼畑地名のひとつです。岐阜県の焼畑地名は、東濃地方や飛騨地方に多く分布しています。(夏焼、火山ひやま、焼石など)(山内、1977)
 焼畑は、明治以降の近代化に伴い衰退した農業ですが、かつてはヒエやアワなどの耕作を行い、自給食糧として重要でした。冬の積雪農閑期に伐採作業を行い、材木は自家用燃料となりました。火入れは春に行い、田畑の労働との競合を避けるようになっていました。(上島、1977)
 現在の山頂から稜線にかけては、シラビソ、コメツガ、モミなどが点在する笹原になっています。皆伐の後、森林が回復していないとされます。
【文献】小井土(2011):『みのひだ地質99選』、岐阜新聞社
山内和幸(1977):『地名雑考』、岐阜地理16号
上島正徳(1977):『濃飛ところどころ』、岐阜大学教育学部地理学研究室

焼山の山頂部
【登頂日】2022年10月30日
【標高】1710m
【場所】岐阜県恵那市上矢作町
【記録】9:20 阿谷林道ゲート(780m) 10:10 上村国有林(林道分岐) 11:15 林道崩落地(1200m、自転車置く) 11:55 焼山登山口 13:05 山頂着 13:40 山頂発 14:25 焼山登山口 14:55 崩落地着(自転車) 15:00 崩落地発(ここから自転車) 15:25 林道ゲート