水晶山と水晶
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 水晶山の山頂は七宗町と白川町の境界にありますが、金山町の境界も近くにあります。飛騨最南にある山です。日本山名事典によると、水精岳とも記され、水晶を産することからその名があるといいます。
 水晶は、地下水にわずかに溶けている二酸化ケイ素が、長い時間をかけて地下で晶出してできます。時間が短ければ大きい結晶にはならず、石英という小さな鉱物になります。また水晶は、熱い地下水である熱水の中に晶出したり、マグマや火山噴出物が地下でゆっくり冷える過程で、隙間などに晶出することもあります。
 地質図(山田ほか)を見ると、水晶山のまわりは美濃帯という堆積岩(チャートなど)の地域ですが、ちょうど水晶山の所だけ局地的に花崗岩という岩石が分布しています。花崗岩は、地下でマグマがゆっくり固まってできます。また、二酸化ケイ素の多い岩石なので、東濃地方などでは、水晶の母岩になります。地元の人が、ふもとで水晶を見つけたという話もあるので、水晶を産出する山が語源だと思います。
 水晶山の山頂には電波塔が林立するため、近くのどの山からでもわかります。一般車は入れませんが林道が山頂まで通じています。
【参考】徳久球雄・石井光造・武内 正(2004):『日本山名事典』、三省堂
山田直利ほか(2005):『濃飛流紋岩』、地学団体研究会
水晶山から見える恵那山
【登頂日】2021年11月29日
【標高】687m
【場所】岐阜県加茂郡七宗町
【記録】10:55 峠(室洞奥)林道ゲート 11:20 作業道 11:45 山頂着 12:15 山頂発 12:50 峠