瀬戸山と大原口留番所
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 瀬戸山は、飛騨と美濃をつなぐせせらぎ街道沿いの山で、馬瀬川とその支流の松谷に囲まれています。この付近は、標高1000m〜1300m付近に平坦面が散在していて、牧場となっている所があります。また、別荘地として開発されたこともありました。瀬戸山は、そんな平坦面の一角にあり、地形図上では無名の山です。
 ふもとの大原(おっぱら)は、美濃との国境に近いため、江戸時代には口留番所があり、出入国管理が行われました。ここは、郡上街道の交通の要所でした。1871(明治4)年、大原口留番所の街道門、扉、柵を取り除きました。柵の建っていた土塁が今でも残っています。(市原、2004)
 また、江戸期の飛騨国中案内によると、「松谷という所の橋場より、濃州郡上郡のうち水澤上村へ先年抜道ができ、水澤上峠という。−−−然れども御吟味に付、木草生い茂り通行ができなくなった」と書いてあります。抜道は関所に付き物でしたが、関所の取り締まりがあったことが伺われます。
 瀬戸山へは、せせらぎ街道を行き、別荘分譲地林道の入口に自動車を置いて登りました。林道は、かつて舗装されていたようでしたが、道はえぐれ、チシマザサが侵入していました。分譲地の平坦地に着くと、売土地の看板がありました。平坦地の林道跡を、瀬戸山山頂の近くまで行きました。少しだけ藪こぎをして稜線に登ると、立派な作業道がありました。山頂には、「国土地理院、大原、昭和62年9月」と書いた標柱がありました。天気はうす曇で、平坦地の林道からは、御嶽山が浮かんで見えました。
 【参考】市原信治(2004):カタクリの里大原、岐阜新聞社
上村義満(1746):飛騨国中案内、大衆書房(復刻板)
林道から御嶽山を望む
【登頂日】2009年5月3日
【標高】1161m
【場所】岐阜県高山市清見町大原
【記録】11:00 せせらぎ街道別荘分譲地跡林道(自動車) 11:40 平坦地 12:25 山頂着 13:00 山頂発 13:40 平坦地 14:05 自動車