天ヶ岩と夢のお告げ
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 地形図の船津を見ると、高山市上宝町蔵柱と飛騨市神岡町小萱の間の山に鳥居のマークがあります。2008年、地元の蔵柱町内会により、峰越林道トレッキングロードが整備されました。ロードから鳥居マークの場所に行けるかもしれません。現地に行って見ると、峠の頂上に、案内表示がありました。そして案内板によって見ると、地図上の鳥居マークの山頂のすぐ横の岩峰が天ヶ岩、すぐ下あたりに天ヶ岩屋があることがわかりました。
 天ヶ岩まで行くと、そこには祠があり、乗鞍大権現、白山大権現、御岳大権現と書いた木札がありました。山岳信仰のようです。また天ヶ岩は、飛騨山脈神岡方面の絶好の展望台でした。乗鞍、笠、穂高、黒部五郎、北ノ俣等が良く見える他、神岡山之村の天蓋山や大洞山、漆山岳もよくわかりました。天ヶ岩屋は、天ヶ岩から少し離れた山腹(山頂下)にあり、岩石がひさしのような岩屋でした。ここには作ったばかりの祠と、案内板があり、以下のような天ヶ岩、天ヶ岩屋の由来が書いてありました。
 これらの祠は、奥山半僧坊大権現といい、静岡県「方広寺」の分家として、明治19年7月18日に開山されました。そのきっかけは、ふもと蔵柱のある夫婦が別々に見た夢によります。その夢では、天狗のような鼻の高いお坊様が現れ、この裏山の頂上に立派な岩屋があると告げました。夫婦が同じ夢を見たので不思議に思っていると、翌日、旅のお坊さんがお札を売りにきました。また、裏山に登ると、別のお坊さんが現れ岩屋まで道案内して消えました。買ったお札を調べると、今の静岡県「方広寺」からこの岩屋へ分家いただいたことがわかりました。それ以降、毎年5月5日を開山日とし、開山の年、養蚕が豊作だったため、祠は、養蚕や山の守護神として現在も祭られています。後でインターネットで調べると、方広寺は実在しました。
天ヶ岩の祠
【登頂日】2009年5月10日
【標高】1000m
【場所】岐阜県高山市上宝町蔵柱
【記録】15:05 小萱峠 15:30 天ヶ岩着 16:00 天ヶ岩発 16:05 天ヶ岩屋 16:30 小萱峠