オゾウゾ山と加須良
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  オゾウゾ山は、岐阜県最北部、秘境といわれた飛騨加須良(かずら)と越中桂(かつら)を見下ろす山です。辺境の豪雪地帯であるため、加須良は1967(昭和42)年に、桂は1970(昭和45)年に廃村になりました。
 加須良は加須良川、桂は境川が、それぞれ庄川に注いでおり、オゾウゾ山は、加須良川と境川の間にあります。オゾウゾ山の周囲は、断崖絶壁が続く危険な川であったため、古い地図では、加須良からオゾウゾ山の山頂を通り、小白川につながる道がありました。
 1940年代、医師の海野金一郎氏の手記によると、冬、雪に閉ざされる加須良の人 達は、病人が出たときなど、雪崩の危険を避けて、オゾウゾ山越えのルートで小白川に出たといいます。
 1586年(天正13)年の天正地震の時、越中楮で山崩れがありました。この時、民家がオゾウゾ山の北尾根を打ち越え、境川を越えて飛んで来ました。それで境川の富山県側に打越という集落がありました。この集落も1993(平成5)年に、境川ダムの完成とともに廃村になりました。
 オゾウゾ山の名の由来は、近くのゾウゾウ山と同じくよくわかりませんが、白山信仰の天台宗が盛んであった頃は、天回峰とよばれ、修験の山でした。
【文献】海野金一郎(2006):孤村のともし火、桂書房
吉村朝之(2003):源流をたずねてV、岐阜新聞社
白川村史編纂委員会(1968):大野郡白川村史、白川村
山頂から大笠山、笈ヶ岳
【登頂日】2009年5月23日
【標高】1085m
【場所】岐阜県大野郡白川村
【記録】11:10 おのえ峠 12:30 1020m三角点 13:20 山頂着 14:05 山頂発 14:45 1020m三角点 15:25 おのえ峠