大平山と玄武岩溶岩台地
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 大平山(おおだいらやま)は、名のごとく平坦地の一角に有る山です。この付近には、近くの鈴蘭高原も含めて、高原状の平坦地が広がっています。平坦地をつくる岩石は、鈴蘭高原玄武岩です。玄武岩は、もともと粘性の小さい溶岩が噴出したもので、ハワイなど海洋の火山島に多い岩石です。粘性が小さいため、溶岩は横に台地状に広がりました。200万年くらい前に噴出したと考えられ、20万年くらい前に活動を始めた御嶽火山の溶岩(安山岩)とは別のものです。(山田・小林、1988)。
 御岳パノラマラインを濁河温泉に向かい、送電線を通過する所から、左折して林道に入ります。300mほどで、牧場の入口に達し、ここが登山口となります。牧場はここしばらく使われていないようで、牛の糞はありませんでした。牧場の柵に沿って30分ほどで山頂でした。山頂の手前には、玄武岩の岩塔が出ていました。岩塔と山頂の間の窪地付近は火口の跡付近だといいます。200万年くらい前の出来事が、この平坦地を作っていると思うと不思議な気分がします。このころ日本付近は、地殻変動や断層運動が少なく、全体的に山が削られ、平坦化していた頃でした。
 山頂は広くて絶景でした。乗鞍や鈴蘭高原が見えました。
【文献】山田直利・小林武彦(1988):御嶽山地域の地質、地質調査所
山頂付近(奥は乗鞍岳)
【登頂日】2010年5月3日
【標高】1590m
【場所】岐阜県下呂市小坂町落合
【記録】12:25 牧場 12:50 山頂着 13:40 山頂発 14:10 牧場