角助山と水ヶ谷の滝めぐり
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  角助山は、小坂厳立峡(がんだてきょう)の奥にある山です。山名は人名に由来するようです。付近には、人名の地名が多く、「兵衛谷、銀衛門谷、茂兵衛谷、与左衛門谷、孫八谷」という具合です(小坂の三角点)。この付近は、江戸時代幕府の御料林として、森林管理がなされていました。小屋を建てたり事故にあったそま人の名前が、地名になることがあります。
 厳立峡は、御嶽山からの溶岩流が谷川で浸食された崖です。溶岩が冷えて固まる時、体積が減少するため、溶岩に平行な隙間ができました。材木を並べたようにも見え壮観であるため、名勝になっています。
 御嶽山の周辺は、谷川によって浸食されて、多くの滝で有名です。小坂町では。滝めぐりをできるように散策路を整備しています。滝が多いのは、御嶽山からの溶岩流や裾野に広く分布する濃飛流紋岩などの硬い岩石が、浸食に抗して滝になりやすいからです。(御嶽山地域の地質)
 角助山は、小坂厳立峡を過ぎ、兵衛谷林道から登りました。溶岩流の上面である原八丁をすぎ、根尾の滝散策路の駐車場から300m程先にゲートがありました。1時間ほど兵衛谷林道を歩き、水ヶ谷から廃道となった銀嶺谷林道に入りました。
 ホームページ「マイナーな山」を参考に、銀嶺谷林道の2つ目の木橋から水ヶ谷を登りました。すぐに4段くらいの滝があり、左から巻きました。そこから数100mでやはり4段くらいの2つ目の滝があります。この滝は右から巻きました。数10mで倒木があり右手に涸谷が見えました。この涸谷から約30分、斜面を右寄りによじ登ると稜線でした。春がまだ浅いせいかミヤマクマザサもそれほど密生していません。また稜線に刈払いの作業道がありました。10分ほど登りぎみに南下すると、3つの尾根の集まる山頂の平坦部です。カラマツの間から白銀の乗鞍や御嶽山が見えました。
 ここで三角点を捜しましたが、やはり見当たりません。しかし、標識プレート(2009,11月登頂)と三角点の保護石らしきものがありました。昼食後、いっしょに登った岳兄が、伐採されたヒノキの枝を除け、2個の保護石の間を掘ると三角点でした。
 帰り、尾根の作業道跡をたどると、道は尾根から右にそれ水ヶ谷上部に出ました。水ヶ谷を下るとさっきの倒木があり、この谷には、小規模な滝が4つありました。これらの滝は、特に装備がなくても足がかりがあり、巻くことができました。
【文献】小坂の三角点調査委員会(1988):小坂の三角点、小坂町
山田直利・小林武彦(1988):御嶽山地域の地質、地質調査所
銀嶺谷林道2つ目の木橋の上の滝
【登頂日】2010年5月2日
【標高】1555m
【場所】岐阜県下呂市小坂町落合
【記録】9:00 兵衛林道(根尾の滝)ゲート 9:55 水ヶ谷へ(橋) 10:35 銀嶺谷林道(2つ目の橋、ここから水ヶ谷) 11:00 2つ目の滝の上(倒木、ここから右斜面涸谷) 11:30 稜線 11:40 山頂着(三角点捜し) 13:05 山頂発 13:10 稜線 13:45 倒木 14:00 銀嶺谷林道橋 14:20 水ヶ谷登り口(林道) 15:05 ゲート