塩をまぶしたような野谷荘司山
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 初夏、郷は緑に包まれる頃、荘川から国道156号を北上し、保木脇を過ぎ野谷に来ると、雪をかぶった山が西方の谷の奥高く見えます。これが野谷荘司山です。斐太後風土記には、馬狩塩尻岳の説明で「半腹以上は草木も生えず、塩をまぶしたように雪をいただく様子を塩尻(しおじり)というのを、俗に荘司(しょうじ)というようになった」という記述があります。野谷荘司山は馬狩荘司山の隣の山ですが、後風土記によると、荒谷山の別名が野谷荘司山となっています。そして、「岩山にて草木なし」と記してあります。
 大野郡付近が西大寺の荘園であったことから、野谷荘司山は、荘園に関係有る地名の可能性もあります(岐阜百山)。平安期から室町期にかけて、白川村から荘川村にかけては白川荘とよばれる藤原氏の荘園だったといわれます(岐阜県おもしろ地名考)。
 野谷荘司山へは、鶴平新道から登りました。赤頭山(あかずやま)付近からピンクのササユリが迎えてくれました。山頂部の東面は崖になっており、はるか下方に野谷の国道が見えました。
【参考】富田礼彦(1873):斐太後風土記(上巻)、雄山閣(復刻版)
服部真六(2000):岐阜県おもしろ地名考、岐阜県地名文化研究会
岐阜県山岳連盟(1975):ぎふ百山、岐阜日日新聞社
野田荘司岳(右)と白山(左)
【登頂日】2008年7月19日
【標高】1736m
【場所】岐阜県大野郡白川村
【記録】8:05 鶴平新道入口 10:53 赤頭山 11:22 稜線分岐 11:36 野谷荘司山頂着 12:51 山頂発 1303 分岐 13:55 三方岩岳山頂着 14:13 山頂発(馬狩道) 14:40 四等三角点 15:22 白山スーパー林道中腹パーキング着 15:48 パーキング発 16:24 馬狩道標識(白谷) 16:30 スーパー林道ゲート 16:40 鶴平新道入口(自動車)