西ノ平と六厩金山
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 西ノ平は、御母衣湖に注ぐ落部川と六厩(むまや)川に挟まれた山です。六厩には、戦国時代より六厩金山があり、昭和20年頃まで採掘されました。金の含有量はきわめて高く、現在でも、マニアが砂金採集に出かけます。六厩で聞いた話では、金山には、千軒平という場所があり、たくさんの人でにぎわっていたそうです。六厩川に沿って、今でも坑道の跡がありました。また、江戸末期〜明治初期に編集された斐太後風土記では、「六厩山中に金山があり、天正晩年、茂住宗貞が多くの人を入れて掘ったと伝えられる。溝や石垣や石臼が今もたくさん残っている」と書いてあります。
 江戸期の飛騨国中案内の六厩によると、「当村に金山があり、村方より半里程川下の字【大留】と【西ヶ洞】と二ヶ所で、今でも金を産出できる」とあります。西ノ平の山名の由来は定かでありませんが、六厩金山の西方に位置するので、西ヶ洞の源頭の山という意味だと思います。
 御母衣湖側から落部川林道を入ると、やがて広場があるのでそこに自動車を置きました。川を渡り、南西尾根に取り付くと、すぐに林野庁の境界標があり、尾根に沿って作業路が続いていました。標高1280m付近からペンキのマークがなくなり、道もなくなりますが、ササ藪は薄いので、山頂までたいへんではありませんでした。
【参考】富田礼彦(1873):斐太後風土記(上巻)、雄山閣(復刻版)
上村義満(1746):飛騨国中案内、大衆書房(復刻板)
山頂付近から赤谷に続く稜線
【登頂日】2008年5月17日
【標高】1481m
【場所】岐阜県高山市荘川町赤谷
【記録】10:55 落部川林道広場 11:20 尾根取り付き 13:35 山頂着 14:25 山頂発 15:25 尾根取り付き 15:40 林道広場