キラズ山(不切山)と富山平野
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 キラズ山は、神岡町横山と富山県東猪谷の県境にある山です。その名の由来は、山の神の祟りをを恐れて木を切らないことを申しあわせた山です(橋本ほか、2001)。昔から木を伐ると血が出るとか、ケガをするとか言い伝えられてきました(富山県教職員山岳研究会、1973)。飛騨側の資料では、明治44年「飛騨山川」で、池ノ山に連なる山として、その名が出てきます(岡村利平1911)。
 昔は、全山ナラやクヌギに被われていました(佐伯ほか、2004)。しかし、昭和30年代から猪谷側は伐採され、スキー場かと思わせる斜面が広がりました。ひところは、頂上近くから標高差にして600m近い標高差の滑降が楽しめました。その後、スギの成長とともに展望もままならなくなり、山スキーもできなくなりました。(橋本ほか、1992)
 現在は、富山県猪谷から林道を使って登れます。ただし、林道の上の方は荒れており、途中で車を置きます。登山口の標識から、登山道に入りますが、多くの登山案内にある尾根の下にある道は無くなっています。尾根に登山道があるので、迷ったら尾根の方に上ります。山頂近くから、富山平野を望むことができます。富山県の雰囲気のある山です。
【参考】橋本 廣・佐伯邦夫(2001):『富山県山名録』、桂書房
富山県教職員山岳研究会(1973):『越中の百山』、北日本新聞社
岡村利平(1911):『飛騨山川』、大衆書房(復刻版)
佐伯郁夫、佐伯克美(2004):『富山県の山』、山と渓谷社
橋本 廣ほか(1992):『とやま山歩き』、シーエービー
山頂付近から見える富山平野
【登頂日】2021年10月5日
【標高】1188m
【場所】岐阜県飛騨市神岡町、富山県猪谷
【記録】9:00 猪谷駅(徒歩) 9:30 貯水池 10:00 林道を横切る 10:40 次の林道を横切る。 11:35 キラズ山登山口(途中から尾根に上がる) 13:10 山頂着 13:50 山頂発 14:40 登山口 15:55 貯水池 16:15 猪谷駅