舟伏山の大蛇
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 美山町神崎から登る舟伏山には大蛇の伝説があります。山頂近くの大池に雄の大蛇、小池に雌の大蛇が住んでいました。2匹の大蛇は、そろそろ山を降りて海に出ようと考えましたが、大洪水を起こさなければなりません。するとふもとの神崎は流されてしまいます。そこで二手に分かれて、雄の大蛇は大池から根尾村側へ、雌は小池から神崎(美山町)側に出ることにしました。雄は大池の水といっしょに土石流となり根尾側初鹿谷に滑り落ちました。雌は小池から神崎側の夏坂谷にずりおちて川の釜にしばらく留まりました。このとき山頂近くの2つの池は涸れてしまいました。(美山の民話)(雷倉参照)
 神崎では、日照りのとき夏坂谷に八大竜王を祭って雨乞いをしました。雨乞いは、川で拾ってきた白い石を塩で磨いて清めてから夏坂谷に納めました。このとき、一升のつぼに水をいっぱい汲んでいき、八合を淵に流し、二合を残しました。汲んできた水を全部流すと里は大洪水になってしまうと考えられました(ふるさとの行事)。(雨乞棚山参照)
 舟伏山には、次のような天狗の話もあります。杣が小屋にいると真夜中に石が降ってくる。深夜、山の峰で木を切る音がする。大木が倒れて谷底に落ちる音がする。そんなとき天狗の大きな笑い声がするといいます。(岐阜県の伝説)(伊吹山大洞山天ヶ岩高天良山阿寺天狗岳参照)
【参考】美山の民話編集委員会(1994):美山の民話第二集、美山町
岐阜県小中学校長会(1999):ふるさとの行事、岐阜県校長会館
吉岡 勲(1955):岐阜県の伝説、大衆書房

神崎からの舟伏山
【登頂日】1996年9月23日
【標高】1040m
【場所】岐阜県本巣郡美山町
【記録】11:35 夏坂谷林道(西まわり) 12:15 桜平 12:35 みのわ平 13:05 水たまり場 13:25 山頂着 14:35 山頂発(東まわり) 14:47 小舟伏山 15:45 夏坂谷林道