二重山稜を行く・槍ヶ岳
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 槍ヶ岳につながる西鎌尾根を歩くと、2つの稜線が平行している場所が所々あります。このような稜線を二重山稜または線状凹地といいます。線状凹地は、雪の吹き溜まりとなりやすいため、しばしば雪田ができます。また線状凹地は、雪食(雪による斜面の侵食)によって、なだらかなくぼ地になるので、舟くぼや雪くぼと呼ばれます。
 二重稜線は、稜線上部の一部に亀裂、つまり正断層(ひっぱられてできる断層)が生じるためできます。この亀裂は重力によるものです。断層面に沿って尾根がずれ落ちると、元の尾根と、ずれ落ちた断層面による尾根が二重になるわけです。高山に断層ができる理由は、氷河時代が終わって氷河が消滅すると、稜線部が支えを失ってカール側へずれるからです。飛騨山脈には、白馬岳周辺など他にも多くの二重山稜があります。
 線状凹地は、風をさけることができるので、絶好の休憩地となります。西鎌尾根では、高山植物やライチョウを観察できます。そして前面にはなんと言っても槍ヶ岳の穂先があるすばらしい稜線です。
【参考】小泉武栄(1998):山歩きの自然学、山と渓谷社

西鎌尾根の二重山稜
【登頂日】2000年7月26日〜28日など
【標高】3180m
【場所】岐阜県吉城郡上宝村
【記録】(7月26日) 7:00 新穂高バスターミナル 8:35 笠新道入口 8:55 わさび平小屋着 9:22 わさび平小屋発 9:50 小池新道入口 10:50 秩父沢着 11:20 秩父沢発 11:35 チボ岩 12:00 イタドリヶ原 12:25 シシウドヶ原着 12:37 シシウドヶ原発 13:35 鏡平小屋着 13:55 鏡平小屋発 14:40 稜線着(小池新道分岐) 14:50 稜線発 16:27 双六小屋着 (7月27日) 4:55 双六小屋発 5:25 樅沢岳着 5:38 樅沢岳発 9:10 千丈沢乗越着 9:20 千丈沢乗越発 10:15 槍岳山荘着 11:00 山荘発 11:20 槍ヶ岳山頂着 11:35 山頂発 12:05 槍岳山荘着 12:35 山荘発 12:41 飛騨沢分岐 13:36 千丈沢乗越方面分岐着 13:50 分岐発 14:05 タカラの木(2500m) 14:55 大喰沢着(2150m) 15:10 大喰沢発 15:45 槍平小屋着 (7月28日) 5:20 槍平小屋発 6:05 稜線分岐 6:20 奥丸山山頂着 6:25 山頂発 6:37 分岐 7:02 槍平小屋着 7:25 小屋発 8:05 滝谷着 8:20 滝谷発 8:40 チビ谷 9:25 白出沢 10:10 穂高平小屋着 10:30 小屋発 11:20 新穂高バスターミナル 11:30 駐車場