野麦峠から登る鎌ヶ峰
山語り目次 地図検索
 鎌ヶ峰は、釜の底のような形をした双子峰であることから、釜ヶ峰となり、転じて鎌ヶ峰になりました。(日本山岳会、2005) 鎌ヶ峰は、大正時代頃、飛騨から長野県へ糸引き工女が登り越した峠ということで有名です。高山(たかやま)から諏訪まで行く者は、野麦峠を通りました。約100kmほどを2,3日かけて、12〜13ほどの娘が歩きました。野麦峠といえば、娘たちの悲惨な労働が語られますが、無事で元気に過ごした人も多いようです。(上野、1986)糸引き工女の話は、映画になりました。峠には、記念碑やお助け小屋があり、観光地となっています。
 鎌ヶ峰は、登山道のない藪山で、野麦峠から尾根伝いに登ることが多いようです。岐阜百山になっているためか、登る人が多く、稜線上は踏み跡が道のようになっている所もありました。山頂はシラビソ林の中にあり、三角点はミヤマクマザサの中にありました。
 野麦峠と鎌ヶ峰の間は2本の送電線が横切っており、上の送電線までは巡視路を使えます。上の送電線に通じる巡視路はかなり西を迂回しているので、それがわからず下の送電線から余分な藪こぎをしてしまいました。また稜線上にある塩蔵三角点からの下りでは、ガスで見通しがきかずルートを間違えました。途中で気づきましたが、そのままでも隣の鉄塔に行くことを地図で確認して、尾根の東端に沿って降りたら、隣の鉄塔でした。尾根1本の単純なルートですが、地図をよく確認し、細心の注意をして登る必要があります。
【参考】日本山岳会(2005):新日本山岳誌、ナカニシヤ出版
上野 登(1986):飛騨の暮らし、地平社
鉄塔付近からの鎌ヶ峰
【登頂日】2012年6月11日
【標高】2121m
【場所】岐阜県高山市高根町
【記録】9:20 お助け小屋 9:50 R30鉄塔(下の鉄塔、藪こぎ、県境) 10:55 L30鉄塔(上の鉄塔、藪こぎ) 11:45 塩蔵三角点 13:00 ニセ鎌 13:40 山頂着 14:10 山頂発 14:45 ニセ鎌 15:40 塩蔵三角点 16:30 R29鉄塔(ここから巡視道、R30の下を巻く) 16:50 車道 17:05 お助け小屋