丹沢の地名あれこれ
朝鮮からの帰化人に由来する檜洞丸  山の雑話目次

富士山とその右側の檜洞丸(蛭ヶ岳より)
 丹沢には、檜洞丸をはじめ畦ヶ丸、大丸など丸の付く山がたくさんあります。この名は、信州安曇野に帰化した朝鮮半島の人々の朝鮮語の影響を受けているといいます。もともと丸には、高いとか飛び出ているという意味があります。そして、丸の使い方には次の3つがあります。1つは、海臨丸というように船の名につける場合です。海の上に高く浮かび上がる船に丸を付けます。2つ目は、牛若丸というように昔の子供の名に付ける場合で、その子が将来高い地位につくことを願って丸をつけます。3つ目が檜洞丸のように高く突き出た山の名に付ける場合です。その朝鮮の帰化人の影響が丹沢の山の地名として残っているわけです。
 檜洞丸はまた、別名、青ヶ岳といいます。青ヶ岳山荘にその名を留めています。「あお」とは、地元でカモシカのことをいいます。カモシカが多いということで付けられた名のようです。
 蛭ヶ岳の名の由来については次の説があります。1つは、実際にヒルが多くいたというもの。2つ目は、猟師の帽子のヒル帽子に形が似ているというもの。3つ目は、修験道に関係して毘沙門天を祭ったからというものです。毘慮(びる)ヶ岳が名の由来になったといいます。このうち3つ目の説の信憑性が高いようです。

 【文献】以上、丹沢に登った帰り林道を歩いていたところ、神ノ川ヒュッテ(蛭ヶ岳山荘)の方に自動車に乗せていただいて聞きました。聞き間違いがあったらお知らせください。