里山の植物

杉林や竹林下で群生してはえる多年草。大型の花を咲かせ、独特の形をしているので迷うことはない。名前の由来ははっきりしない。かっては群生地がたくさんあったが、乱獲(盗掘)により減少した。4~5月に開花し、比較的花期が長い。
(平成22年5月15日)
山地の林下の湿ったところにはえる多年草。高さが40~60センチと大型で、サギ(鷺)に似た花が咲くので名前がつけられたようである。写真ではわからないが、下の2個の葉が大きく、上に行くにしたがって小葉となる。上宝町地内でまれに見られる。6~8月ころ開花する。
(平成23年7月3日)
日当たりのよい湿地にはえる多年草。茎や葉が小さく、花の形がトンボ(蜻蛉)の飛ぶ姿に似ているので名前がつけられたようである。繊細な植物なので、採取して家に持ち帰っても枯れてしまうと思われる。7~8月開花する。
(平成23年7月14日)
山間の湿地にはえる多年草。大型のランでときには1メートル近くに伸びるので目立ちやすい。水辺で多く花をつけ、チドリ(千鳥)が群れ飛ぶ姿に似ているので名前がつけられたようである。6~7月開花する。
(平成23年7月4日)
クマガイソウ オオヤマサギソウ コバノトンボソウ ミズチドリ
日当たりのよい湿地にはえる多年草。花の色が紅紫色を帯びているので、トキ(朱鷺)を連想してこの名がある。とても小さなランで、後述のサワランと同じ場所に生育し群生している。6~7月開花する。
(平成23年6月19日)
薄暗い広葉樹林の下にはえる多年草。土の中からニョキと出てきて、花が終わるとアケビ(木通)のような実をつけるので名前がついた。葉緑素を持たず、土中の菌類と共生して栄養分を採っている。(腐生蘭と言われる)上宝町地内や山之村でまれに見られる。7~8月開花する。
(平成23年7月24日)
やや乾いた雑木林の土手などにはえる多年草。鮮やかな黄色をしているので名前がついた。花がなかなか全開しないという特徴がある。かっては人里近くにあったと言われるが、近年はなかなか見つからない。上宝町地内でまれに見られる。6~7月開花する。
(平成23年7月2日)
やや湿った雑木林の下にはえる多年草。白いのを銀とし、葉が笹の葉に似ているので名前がついた。これも花がなかなか全開しない。上宝地区全域、山之村に見られるが、数は多くない。5~6月開花する。
(平成22年5月31日)
トキソウ ツチアケビ キンラン ササバギンラン
日当たりのよい湿地にはえる多年草。花の色が柿とよく似たオレンジ色なので名前がついた。大型の蘭で花をたくさんつける。上宝町や山之村でまれに見られる。6~8月開花する。
(平成23年7月23日)
林内にはえる多年草。花が鳥のウズラ(鶉)が羽ばたいているように見えることから名前がついた。花の終わりごろ、ピンク色になる。写真ではわからないが、葉は地面にへばりつくように生えている。草丈も10センチほどで小さい。上宝町地内でまれに見られる。8~9月開花する。
(平成24年9月1日)
陽当たりのよい草地にはえる1年草。花が、らせん状に巻きながら咲くので名前がある。ラン科にしては珍しく1年草なので、咲く場所が移動する。前年の秋に芽生え、冬越することもある。(越年草という)上宝地区全域に見られ、その数も多い。7~8月に開花する。
(平成21年7月12日)
ネジバナと同じ環境ではえる1年草。ネジバナのアルビノ化(白化)したものである。モジズリ(捩摺)とは石に模様をつけて捩(ねじ)りながら布に染める道具から名前がついた。見たことのある人は多いが、探すと意外に少ない。 上宝地区全域に見られるが、数は少ない。7~8月に開花する。
(平成21年7月17日)
カキラン ミヤマウズラ
ネジバナ シロモジズリ
林下や笹原にはえる多年草。しょうき( 鐘馗)とは災いを取り除く神のことだが、命名の由来は不明である。葉緑素を持たず、土中の菌類と共生して栄養分を採っている。(腐生蘭と言われる)。奥飛騨温泉郷でまれに見られる。6~7月に開花する。
(平成22年6月20日)
山地の林床にはえる1年草。花の咲く姿が昔の武将のさいはい(采配)に見立てて名前がついた。花は紅紫でとても美しい。奥飛騨温泉郷のやや標高の高いところにある。数も比較的多い。6~8月ころ開花する。
(平成21年6月28日)
林内のやや湿ったところにはえる多年草。中国にケイラン(蕙蘭)というランがあり、それを小さくしたランということで名前がついた。上宝地区全域に見られるが、数は少ない。6~8月に開花する。花びらが比較的厚いので花期は長い。  
(平成23年7月4日)
ミズゴケのあるような湿地にはえる多年草。生育地を沢として名前がついた。前述のトキソウと同じ場所で群生している。とても小さな山野草なので、虫眼鏡がないと花の仕組みはわからない。6~7月に開花する。
(平成22年6月28日)
 ショウキラン サイハイラン  コケイラン  サワラン 
雑木林の下などにはえる多年草。地下にある茎のような塊が、エビ(海老)の似ているので名前がついた。4~6月に開花し、比較的花期が長い。
(平成22年5月24日)
林下にはえる多年草。名前の由来ははっきりしない。写真ではわからないが、のこぎりば(鋸葉)が特徴である。花は緑色なので目立たない。上宝町地内でまれに見られる。6~7月に開花する。
(平成21年6月27日)
日当たりのよい湿り気のある斜面にはえる多年草。この写真は
庭に植栽されていたものを撮ったもの。奥飛騨には地生していない。5~6月に開花し、比較的花期が長い。
(平成22年6月3日)
やや乾いた林床にはえる多年草。春に咲くランなので名前がついた。意味は不明だが、上宝地区ではこの花を「ジジババ」の愛称で呼んでいた。上宝地区全域に見られるが、里山の減少で少なくなってきた。4~5月に開花する。花期は比較的長い。
(平成22年4月11日)
 エビネ
クモキリソウ  シラン   シュンラン

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