ちょっと珍しい山野草
山地の林下にはえる多年草。実が熟すと丸くて黒い種ができるので名前がついたと思われる。これは純粋に日本産であるが、西日本にしか見られない。紅色の花が印象的である。上宝町で時々見られる。6~8月に開花する。  
(平成21年8月12日)

里山周辺の日陰にはえる多年草。根が太く食用にしていたので名前がついた。江戸時代以前に中国から移入して栽培していたものが、野生化したものではないかと言われている。真っ白い美しい花が咲く。熟すと黒い種ができる。上宝町でまれに見られる。6~8月に開花する。
(平成21年6月13日)
やや暗い林中にはえる多年草。しずかごぜん(静御前)の舞姿を連想して名前がつけられた。一つの茎に花が一輪咲く。花びらはなく、白く見えるのはおしべの一部である。上宝地区全域に見られるが、数はそれほど多くない。4~5月に開花する。
(平成22年5月3日)
やや暗い林中に生える多年草。名前の由来はヒトリシズカと同じである。ヒトリシズカより花も葉も大きい。花は2輪とは限らず、1~3本ある。白く見えるのはおしべで、中に花粉がある。上宝地区全域に見られるが、数はそれほど多くない。ヒトリシズカより遅れて、5~6月に開花する。
(平成21年6月3日)
マルミノヤマゴボウ(ヤマゴボウ科) ヤマゴボウ(ヤマゴボウ科) ヒトリシズカ(センリョウ科) フタリシズカ(センリョウ科)
山地の林下の湿ったところにはえる多年草。根が細くて辛いので、サイシン(細辛)と言われる。漢方薬として利用される。葉が薄く、透明感がある。地面近くに淡紅紫色の花を咲かせるが、注意してみないと見逃してしまう。ギフチョウが好んで食べる。上宝地区全体に見られるが、数は多くない。4~6月に開花する。
(平成22年4月25日
落葉樹林の下にはえる多年草。園芸種のシャクヤク(芍薬)とよく似ているので名前がついた。枝の先に一つの花が咲くが、晴れの日に咲いて2~3日で終わってしまう。山野草愛好家にとってはあこがれの花である。上宝町でまれに見られる。5~6月に開花する。
(平成22年5月10日)
山地の草原、林縁、崖などにはえる多年草。黄色の輪のような花が咲くので名前がつけられた。ベンケイソウの仲間は、葉が厚く、乾燥にも耐えるという特徴があり、強いので弁慶に例えたものである。夏の暑い日でも石垣に生育していて枯れることはない。上宝町でまれに見られる。5~7月に咲く。
(平成22年6月20日)
石灰岩質の岩などのすきまにはえる越年草。フウロソウの仲間にしては花が小さいので名前がついた。茎やがく(萼)などに毛が生えていることと、悪臭があるのが特徴である。非常に珍しい山野草で、上宝地区でまれに見られる。5~8月に開花する。 
(平成22年5月12日)
ウスバサイシン(ウマノスズクサ科) ヤマシャクヤク (ボタン科) キリンソウ(ベンケイソウ科)  ヒメフウロ (フウロソウ科)
日当たりのよいやや乾いた土手や草地にはえる常緑の多年草。背丈は小さく、ハギ(萩)に似た花を咲かせるので名前がついているが、ハギの仲間ではない。小さな紫色の花は、清楚で美しい。上宝町地内でまれに見られる。5~7月に開花する。冬になっても枯れない。
(平成25年5月14日)
やや乾いた道端や草原にはえる一年草。この花のごま(胡麻)ような種をからす(烏)が食べるのを例えて名前がつけられた、黄色の小さな花が印象的である。わりと珍しい山野草である。8~9月に開花する。
(平成21年9月10日)
湿り気のある半日陰にはえる多年草。ツリフネソウが白化したものである。生物のある種では時々突然変異で色素がなくなり、白化することがある。非常に珍しく、上宝町でまれに見られる程度である。6~9月に開花する。  
(平成25年9月12日)
山地のやや暗い岩場にはえている多年草。岩場にはえ、葉がうちわ(団扇)の形をしているので名づけられた。山野草として人気があり庭に植えている人もいる。4~5月に開花する。
(平成26年4月17日)
ヒメハギ(ヒメハギ科) カラスノゴマ (アオイ科)  シロツリフネ(ツリフネソウ科) イワウチワ(イワウメ科)
山地の林下にはえる多年草。トチ(栃)の木の葉に似ていることと、根が肥大化してまるでニンジン(人参)のように伸びているので名前がついた。秋になると熟して赤い実ができる。この根茎は薬草として利用されている。上宝地区全域に見られるが、数は少ない。6~8月に開花する。
(平成21年6月15日)
低山や丘陵の林の陰にはえる多年草。根を煮詰めた汁でハエトリガミ(蝿捕紙)を作ったので名前がついたと言われる。とても小さな花で、薄桃色を帯びる。蕾は上向きにつき、開くと横向きになり、熟すと下向きにつく。秋にはひっつきむしとなって衣服に着く。上宝地区全域に見られるが、数は多くない。7~8月に開花する。
(平成25年7月31日)
里山の薮にはえるつる(蔓)性の多年草。ヒトドリ(鵯)が好んで食べるので名前がついた。ジョウゴ(上戸)とは酒を好む人を言う。茎に毛が多く、ナス科独特の花を咲かせるので区別は容易である。秋には赤い実をつける。上宝地区全域に見られるが、数は非常に少ない。8~9月に開花する。
(平成22年8月20日)
里山にはえるつる(蔓)性の一年草。ウリの仲間ではかなり大きいのでカラスという名前がつき、秋に黄色の果実をつけるのでキ(黄)という文字が入ったと思う。この果実は甘いので、昔子どもが食べたという。上宝町地内でまれに見られる。7~8月に開花する。
(平成29年7月14日)
トチバニンジン (ウコギ科) ハエドクソウ(ハエドクソウ科) ヒヨドリジョウゴ (ナス科) キカラスウリ (ウリ科)

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