山之村地区の山野草
簡単な解説
山地や林縁にはえる多年草。葉の形が笹に似ているので名前がついた。西日本(中部山岳国立公園より西)では普通に見られたが、近年乱獲や里山の減少、イノシシの食害などで急激にその数が減ってきている。花の色は白から赤っぽいものまでいろいろある。奥飛騨地区全体に見られ、数も比較的多い。夏6~7月に開花する。
(平成21年6月15日)
湿地にはえ、浅い水底から直立する多年草。漢字で蒲と書くが名前の由来ははっきりしない。古代から名前があったようである。花が熟すと糸状に綿毛がでる(蒲の穂と言う)。上宝地区や山之村の湿原で見られるが、数は多くない。花期は長く6月から10月まで咲いている。
(平成21年6月15日)
薄暗い広葉樹林の下にはえる多年草。土の中からニョキと出てきて、花が終わるとアケビ(木通)のような実をつけるので名前がついた。葉緑素を持たず、土中の菌類と共生して栄養分を採っている。(腐生蘭と言われる)奥飛騨地区にまれに見られる。7~8月開花する。
(平成23年7月24日)
日当たりのよい湿地にはえる多年草。花の色が柿とよく似たオレンジ色なので名前がついた。大型の蘭で花をたくさんつける。6~8月開花する。
(平成23年7月23日)
ササユリ(ユリ科) ガマ(ガマ科)  ツチアケビ(ラン科) カキラン(ラン科)
低地から山地の日当たりのよいところにはえる越年草。茎に黒っぽい節があるので名前がついた。花びらに切れ込みがあるのでナデシコ科とわかる。非常に珍しい山野草で、上宝町や山之村でまれに見られる程度である。7~9月開花する。 
(平成21年9月17日)
浅い水中や湿地にはえる多年草。花が直立し、黄金色に花を咲かせるので名前がついた。ミズバショウと一緒に見られることが多い。山之村に群生地がある。飛騨の各地の湿原にはたくさんある。4~6月に開花する。比較的開花期間は長い。
(平成22年5月9日)
やや湿った山地の草原にはえる多年草。トリカブト(鳥兜)は舞楽に使われるかぶりもの。それに似ているのでなまえがついた。根・茎・葉どれも猛毒で、若芽の葉がニリンソウにそっくりなので、食べて亡くなる人が絶えない。8~9月に開花する。
(平成21年8月16日)
水田や水湿地にはえる多年草。若芽にから(辛)味があるので名前がついた。昔はいたるところにあったようだが、現在、絶滅危惧種に指定されるほど貴重な山野草となっている。6~7月に開花する。
(平成25年6月17日)
フシグロ(ナデシコ科) リュウキンカ(キンポウゲ科) ヤマトリカブト(キンポウゲ科) ミズタガラシ(アブラナ科)
山地の日当たりのよいやや湿ったところにはえる多年草。花弁が紫なので名前がついた。北海道にしか見られないと言われているが、山之村で見られた。9~10月に開花する。
(平成27年9月22日)
山地の日当たりのよいやや湿ったところにはえる多年草。花の形が天満宮の梅鉢紋に似ているので名づけられた。おしべが細かく分かれ、15~22個あるのがこの花の特徴である。山之村にはたくさんある。8~10月に開花する。
(平成25年9月12日)
林の下の暗い所にはえるつる(蔓)性の多年草。秋から冬に実が熟すので名前がついた。トゲ(刺)はないが、葉がざらざらしている。赤い実ができ食べられる。飛騨地区全域に見られ、数も多い。6~7月に開花する。
(平成22年6月21日)
やや標高の高い林縁や草地にはえる多年草。ニョイスミレの高山型と言われ、名前もそのことからついている。ニョイスミレとよく似ているので葉の形で区別するしかない。珍しいスミレである。奥飛騨温泉郷や山之村でまれに見られる。5~6月に開花する。
(平成22年6月12日)
ムラサキベンケイソウ(ベンケイソウ科) ウメバチソウ(ニシキギ科) マルバノフユイチゴ(バラ科) ミヤマツボスミレ(スミレ科)
山地の湿地にはえる多年草。北海道に多いので名前がついた。上部が分岐しているので、ミゾハギと区別できる。飛騨地方の湿地に見られる。7~9月に開花する。
(平成22年8月15日)
沼などの湿ったところにはえる多年草。水の中に生育していて花がキンバイソウ(金梅草)に似ているので名前がついた。アカバナ科だけあって茎が赤い。珍しい山野草である。6~8月に開花する。
(平成22年6月12日)
山地の湿ったところや川縁にはえる多年草。名前のは漢方薬からきたらしいが詳しいことはわからない。茎が紫色がかっていて、たくさんの花をつける。双六川や蔵柱川の川沿いに多く見られる。8~10月開花する。
(平成24年9月9日) 
山地のやや暗い岩場にはえている多年草。岩場にはえ、葉がうちわ(団扇)の形をしているので名づけられた。4~5月に開花する。
(平成26年4月17日)
エゾミソハギ(ミソハギ科) ミズキンバイ(アカバナ科) シラネセンキュウ(セリ科) イワウチワ(イワウメ科)
薄暗い林の中にはえる多年草。ギンリョウソウに似ているので名前がついた。これも葉緑素を全く持たないので、菌類と共生して栄養を得ている。咲くのが秋なのでアキノギンリョウソウとも言われる。
(平成20年9月13日)
草地や、明るい林にはえる多年草。根に強烈な苦みがあり、漢方薬のりゅうたん(竜胆)として使われていたのが漢字の由来である。かってはどこにでも生育していたが、近年里山の減少で数を減らしている。日が当たらないと開花しない。8~10月に開花する。
(平成21年10月4日)
湿った山地にはえる一~二年草。花びらに青紫色の斑点があり、この様子をあけぼの(曙)の空に例えて名前がついたと言われる。一年目にオオバコのような葉をつけ二年目に伸びて開花する。9~10月に開花する。
(平成25年8月31日)
山地の乾いた草原にはえる一~越年草。湯で千回煎じてもまだ苦いことから名前がついたと言われる。秋に実をつけると枯れてしまう。花は白色だが赤紫色のすじが入っている。これも里山の減少で数が少なくなっている。9~10月に開花する。
(平成25年9月30日)
ギンリョウソウモドキ(ツツジ科) リンドウ(リンドウ科) アケボノソウ(リンドウ科) センブリ(リンドウ科)
丘陵地の林内にはえる多年草。名前の由来はわからない。キランソウとよく似ているが、茎が地面をはうことなく、短いながら上に伸びていることと、葉の裏側が紫色をしているので区別できる。4~5月開花する。
(平成24年5月22日)
湿地の薄暗い草むらにはえる多年草。シソ科でナミキソウ(浪来草)という植物があり、海岸の波打ちぎわにはえている。その浪来草に似ているが、非常に小さいので名前がついたと思われる。湿地で他の草の間に茎を伸ばして小さな花を咲かせているので、間違うことはない。6~8月に開花する。
(平成22年8月10日)
やや標高の高い日当たりのよい草地にはえる多年草。輪生する葉が何段にもなって茎につくので名前がついた。薄紫色の花と、黄色いおしべ(雄蕊)が外に飛び出しているのが特徴である。奥飛騨温泉郷や山之村のところどころに見られる。7~8月に開花する。
(平成22年7月4日)
山の草原にはえる越年草。マツムシ(松虫)が鳴くころに開花するので名前がついたと言われるが、確かではない。かっては里山にたくさんあったが、今では自生のものを見つけるには大変である。7~9月に開花する。
(平成25年8月31日)
ニシキゴロモ(シソ科)   ヒメナミキ(シソ科) クガイソウ(ゴマノハグサ科)  マツムシソウ(スイカズラ科) 
山麓の林下にはえるつる(蔓)性の多年草。根の塊が太くニンジン(人参)のようなので名前がついた。茎(蔓)の長さは2~3mにもなる。花をよく見ると、紫褐色の斑点があり、その造形美に圧倒される。非常にまれな植物であり、ななかな自生地を確認できない。8~9月開花する。
(平成20年9月13日)
やや標高の高い比較的乾いた山地にはえる多年草。名前の由来ははっきりしない。ハンゴウソウと似ているが、ハンゴウソウより小型で、葉が切れ込まないので区別できる。8~9月開花する。 
(平成21年9月7日)
日当たりのよい湿地にはえる多年草。文字通り沢(湿地)に生育しているから名前がついた。最上部にちぢれ毛が密集しているのが特徴である。茎や花も全体に赤みを帯びている。8~9月に開花する。
(平成25年9月25日)
日当たりのよい土手などにはえる多年草。名前の由来はわからない。秋の七草の一つだが、自生のものは少ない。サワヒヨドリとよく似ているが、生育している場所と、葉が3裂するので区別できる。8~9月開花する。
(平成23年9月7日)
ツルニンジン(キキョウ科)  キオン(キク科)  サワヒヨドリ(キク科)  フジバカマ(キク科) 

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