平湯地区の山野草
簡単な解説
比較的標高の高い湿った場所にはえる多年草。花が黄色なので京都のヤマブキの名所のタマガワ(玉川)から名前をとったと言われている。花びらが6枚、おしべが3枚、めしべが3枚と3の倍数になっている。平湯や新穂高で見られるが、数は少ない。6~8月に開花する。
(平成22年7月27日)
山地(亜高山)の林の下にはえる多年草。果実が羽根突きの羽に似ているのと、葉が車状についているので名前がついた。基本は葉が8枚、がくが4枚、おしべが8個、めしべが4個となっていて造形的に魅力のある花であるが、花びらは退化してない。平湯、鍋平などに広く分布している。5~7月に開花する。
(平成21年5月26日)
山地のやや湿った林内にはえる多年草。かつて根や茎を漢方薬として使っていたので名前がついたと思われる。葉も花びらも3枚とシンプルな構造をしている。在家、平湯、新穂高などに自生している。早春のまだ他の植物がないころに咲くので見つけやすい。5~6月に開花する。
(平成22年6月8日)
深山から亜高山の林の中にはえる多年草。エンレイソウの白花なので名前がついた。ミヤマエンレイソウとも呼ばれる。エンレイソウと同じ構造をしているが、がくがめだつのでわかりやすい。平湯、蔵柱、在家などに自生地がある。5~6月に開花する。
(平成22年5月22日 )
タマガワホトトギス(ユリ科)  クルマバツクバネソウ(シュロソウ科)  エンレイソウ(シュロソウ科) シロバナエンレイソウ(シュロソウ科
シロバナエンレイソウと同じ環境ではえている多年草。花びらが淡い紫色を帯びているで名前がついた。シロバナエンレイソウの変種と言われている。この写真は平湯のキャンプ場内で撮ったものである。5~6月に開花する。
(平成25年5月27日)
山地や亜高山の林下にはえる多年草。花が20個ほどつき、その姿が鶴が舞っているようなので名前がついた。葉がヤマイモの葉に似ているのが特徴。群生していて数も比較的多い。秋には赤い実をつける。平湯や新穂高などで見られる。5~6月開花する。
(平成22年5月29日)
林下や笹原にはえる多年草。しょうき( 鐘馗)とは災いを取り除く神のことだが、命名の由来は不明である。葉緑素を持たず、土中の菌類と共生して栄養分を採っている。(腐生蘭と言われる)。奥飛騨温泉郷でまれに見られる。6~7月に開花する。(平成22年6月20日)
山地の林床にはえる1年草。花の咲く姿が昔の武将のさいはい(采配)に見立てて名前がついた。花は紅紫でとても美しい。奥飛騨温泉郷のやや標高の高いところにある。数も比較的多い。6~8月ころ開花する。
(平成21年6月28日)
ムラサキエンレイソウ(シュロソウ科) マイヅルソウ(クサスギカズラ科) ショウキラン(ラン科) サイハイラン(ラン科)
林内のやや湿ったところにはえる多年草。中国にケイラン(蕙蘭)というランがあり、それを小さくしたランということで名前がついた。上宝地区全域に見られるが、数は少ない。6~8月に開花する。花びらが比較的厚いので花期は長い。
(平成23年7月4日)
山地の木陰にはえる多年草。雪のように白い筆状の穂を段々につけるので名前がついた。名前がいいのでどんな花かと思うが、以外と質素な花なのでがっかりする。奥飛騨温泉郷にたくさん見られる。5~7月開花する。
(平成22年6月10日)
深山の林下にはえる多年草。ガンピ(岩菲)は中国産のナデシコ科の花。センジュ(千手)観音のように花びらが切れ込んでいるので名前がついたと言われるが確かなことはわからない。平湯や新穂高などに見られる。7~8月に開花する。
(平成23年7月11日)
落葉樹林の林縁や林下、時には草原にはえる多年草。基本的には二輪の花が咲くので名前がついた。トリカブトと葉が似ているので注意する必要がある。上宝地区全域に見られ、数も多い。在家、平湯、新穂高などに群生地がある。4~6月に開花する。
(平成23年5月9日 )
コケイラン(ラン科) クリンユキフデ(タデ科)  センジュガンピ(ナデシコ科) ニリンソウ(キンポウゲ科)
亜高山や高山の湿ったところにはえる多年草。花がカラマツソウによく似ていて、葉がもみじ(紅葉)のようなので名前がついた。この写真は平湯の林下で撮ったものだが、乗鞍にも普通に生えている。奥飛騨温泉郷にまばらに見られる。7~8月に開花する。
(平成23年7月30日)
山地や亜高山の林下にはえる多年草。名前の通りミヤマ(深山)にあり、背丈は小さい。花をよく見ると白いのだがわずかに紫かかっていることがわかる。奥飛騨温泉郷の比較的標高の高いところに見られる。数は少ない。5~8月に開花する。
(平成22年6月10日)
深山や亜高山の林下にはえる多年草。名前の由来はわからない。葉の間からすっと花茎を伸ばして咲く様子は独特のものである。花後に群青色の実をつける。奥飛騨温泉郷の亜高山に見られるが、数は多くない。5~6月に開花する。
(平成24年5月21日 )
亜高山の樹林下の湿ったところにはえる多年草。長野県ではぜんそく(喘息)のことをズダということから喘息に効用がある薬ということで名前がついたらしい。白い花が下向きにつくのが特徴である。奥飛騨温泉郷の平湯、新穂高周辺にたくさん見られる。6~7月に開花する。
(平成22年6月7日)
モミジカラマツ(キンポウゲ科) ミヤマカラマツ(キンポウゲ科) サンカヨウ(メギ科)  ズダヤクシュ(ユキノシタ科) 
やや標高の高い山地にはえる多年草。名前の通り深山に生育している。花が比較的大きく、葉が波状にうねっているので区別できる。奥飛騨温泉郷でまれに見られる。数は少ない。5~6月に開花する。
(平成24年5月21日)

亜高山の草地や林縁にはえる多年草。白い花びらの先端がわずかに赤くなっているので、つまをとる(褄取)に例えて名前がついた。花びらが離れて見えるが実際はくっついている。奥飛騨温泉郷でしばしば見られる。6~7月に開花する。
(平成22年6月7日) 
山地の谷間にはえる多年草。ジャコウジカ(麝香鹿)から採取する香料のような匂いがするので名前がついた。シソ科にしては大型で1m近い草丈がある。薄紅色の花は印象的である。奥飛騨温泉郷でまれに見られる。8~9月に開花する。
(平成22年8月16日)
やや標高の高い沢沿いの湿り気のある斜面にはえる多年草。薬用植物だが、食べると幻覚を起こして走る回ることから名前がついた。ナス科独特の花を咲かせるが、葉が柔らかくて美味しそうなので注意が必要である。上宝地区全域に見られるが、数は非常に少ない。4~5月に開花する。
(平成22年5月8日)
ミヤマスミレ(スミレ科)  ツマトリソウ(サクラソウ科) ジャコウソウ(シソ科) ハシリドコロ(ナス科)
亜高山の湿地にはえる多年草。ミゾホオズキより葉も花も大型なので名前がついた。葉がノコギリ状になっており、先が鋭くと(尖)っているのが特徴である。日本海側に多いと言われている。奥飛騨温泉郷の平湯や新穂高に見られる。6~7月に開花する。
(平成23年6月8日 )  
亜高山帯の谷沿いの林縁などにはえる多年草。果実につくがく(萼)の姿がかぶと(兜)の鍬形に似ているのでクワガタの名前があるが、テング(天狗)の由来はわからない。茎は初め地面をはい、その後立ち上がる。花は白地に濃紺色の筋が入っている。奥飛騨温泉郷のところどころに見られる。6~8月に開花する。
(平成22年6月7日 )
亜高山の樹木の下にはえる多年草。山に生育するクワガタソウということで名前がついた。茎に毛が生えていること、葉が比較的丸いことでテングクワガタと区別できる。花に紅色の筋が入っているのも特徴である。奥飛騨温泉郷の山中でまれに見られる。6~8月に開花する。
(平成22年6月4日)
やや湿った林内にはえる多年草。たまたま根がフクジョソウ(福寿草)に絡んでいたから名前がついたと言われている。花が上部に五輪つくので、ゴリンバナ(五輪花)という別名がある。奥飛騨温泉郷の山地に見られるが、限られた場所にしかない。5~6月に開花する。
(平成22年5月29日) 
オオバミゾホウズキ(ハエドクソウ科)   テングクワガタ(オオバコ科) ヤマクワガタ(オオバコ科)  レンプクソウ(ガマズミ科)

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