【離れ】とは
「会」が完成されると「離れ」が生ずる。「離れ」は発射である。すなわち体の中筋から左右に開くように伸張し、気合いの発動とともに矢が離れていく状態をいう。
「会」と「離れ」は、「会者定離」という仏教語から転用されたといわれるように不離一体のもので、会では力がまとまり、充実して、一本の矢に移され、「離れ」を生ずるのである。
したがって、「離れ」は自然の離れでなくてはならない。離すのではなく、離されるのでもない。
これをたとえていえば、葉末にたまった雨露が自然に地に落ちる−すなわち、機が熟して自然に離れるものでなければならない。
− 「弓道教本」 全日本弓道連盟より −