【会】とは
形の上では「引分け」の完成された状態をいうが、射手の心理からいえばむしろ無限の「引分け」である。今までの諸段階はこの「会」に到達するために行ってきたもので、精神、身体、弓矢が渾然一体となり、満を持し気迫をたたえ、間断なく天地左右に伸張して(伸合い)発射の機を熟させる頂点で、まさに弓射の極地である。「会」において重要なことは「詰合い」と「伸合い」である。
「会」を構成する根本の条件は縦横十文字の規矩を正しく守ることにあるが、それは「引分け」を正しく行わなければならない。
「会」において縦横十文字の規矩を堅持し、五重十文字が構成され、天地左右に伸び合うためには要所要所の詰合いが十分でなければならない。したがって詰合い・伸合いが良射を生む絶対的条件である。
− 「弓道教本」 全日本弓道連盟より −