【打ち起こし】とは
弓を引き分ける前に弓矢を持った左右の両拳を上にあげる動作である。「打起し」には、「正面打起し」と「斜面打起し」との二つの方法がある。「打起し」の高さは約45度を基準とするが、年齢や体格などによって多少違いがある。
「打起し」の際は精神身体ともにゆったりと伸び伸びした気持ちで、気息を整え「胴造り」のくずれぬように、また拳に無用な力を入れぬように、矢は常にほぼ水平且つ体と平行に、両肩は下に沈むように注意しなければならない。あたかも太陽が静かに昇る境地、無風帯の日に空を煙がゆったりと立ちのぼる風情で、呼吸に合わせて静かに打起すことがよい。
− 「弓道教本」 全日本弓道連盟より −