【礼記射義の解説】
 射行は、(1)心志の安正 (2)身体の安定 (3)弓技の審固との三点を眼目とし、これを修練することによって仁義礼智信の徳行が体得される。矢を発して中らなければ他を怨むようなことなく、反ってこれを己に求めてよく反省せよ、と教示している。

            − 「弓道教本」 全日本弓道連盟より −


射は立居振舞いの全てにおいて、必ず礼に則って行い、心構えは正しく清く、服装には乱れはなく、細かな処に気配りをしながら、その上で弓矢を取る。細かな処まで注意深く気配りしながら、正しい心で、基本に忠実に射て、その結果的中を得た時に、始めて中ったと言う。
射は人柄・人徳を観る神聖なる手段です。射は人としての最高を求めての道です。だから射は正しきを自分に求めるのです。自分が正しく射た積もりでも、それで的中を得る事が出来ない場合には、自分に勝った人を怨むことなく、的中を得なかった自分自身の心や射技を反省しなければならない。
こうして正しい事が自然に出来るような自分自身を作るように、自分自身を鍛えなければならない。

    − 「礼記射義・射法訓が教えるもの」春の巻(初級編) 松井巌より −