トチノキが残るオコズリ山
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 オコズリ山は、鈴蘭峠の東にある山で、三角点はありません。鈴蘭高原からは、御嶽山の右横下方に、三角形のピークの山として眺めることができます。近くにオコズリ谷があることから、その源頭の山ということです。ただオコズリの語源はよくわかりません。近くにミソスリ谷という地名もあります。
 鈴蘭峠の林道ゲートに自動車を停め、林道終点から、すぐ右手の谷を登りました。谷がつきてから、左手市境界の尾根に上がると、作業道の痕跡がありました。ピンクのテープを目印に、笹薮を分けました。境界の左手はカラマツ、右手はヒノキの植林地です。その道も急斜面になる所で無くなり、新たに出てきた右手の谷を登りました。この谷は、ササが薄く歩きやすい谷です。やがてカラマツばかりになり、その中にひとまわり5mの大きなトチノキが残っていました。まだ芽吹いていませんでしたが、トチの実や皮が落ちていました。トチノキは他に4本ほどあり、その上に切り残した大ヒノキが5本ありました。ヒノキの上で谷は終わり、藪をこぐと稜線です。左手の高みを追って登るとそこが頂上でした。
 トチノキは、あまり南飛騨で見ることはありません。飛騨での分布は、白山周辺から飛越国境付近、そして飛騨山脈、御嶽山(上流部)です。つまり多雪の地域です(上島、1977)。この谷のトチノキは、伐採されずに残してあったものでしょう。オコズリ谷は、鈴蘭谷と合流した後、栃原谷と名を変えます。地名から察すると、もともとトチノキが多くあったに違いありません。トチノキは沢沿いの水が近い所に自生する木です。(栃尾山)(鈴木、2005)
【文献】上島正徳:濃飛ところどころ、岐阜大学教育学部地理学研究室
鈴木庸夫(2005):樹木図鑑、日本文芸社
カラマツの中に残るトチノキ
【登頂日】2010年5月9日
【標高】1500m
【場所】岐阜県下呂市小坂町落合
【記録】10:00 鈴蘭峠 10:15 林道終点(右の谷へ) 10:30 右の谷終わり(左の尾根へ) 11:10 尾根から右の別の谷へ 11:20 大トチノキ 12:05 山頂着 13:00 山頂発 13:25 大トチノキ 13:55 林道終点 14:10 鈴蘭峠