南俣山のアカモノ
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 南俣山は、神岡町山之村打保から、神岡新道に入ると前面に見える山です。近くの北ノ俣岳や黒部五郎岳(飛騨側の呼称は中ノ俣岳)と関連して付けられた山名のようです(ぎふの名山名木)。北ノ俣岳は北ノ俣川の源頭、中ノ俣岳は中俣川の源頭にあります。しかし、南俣山に該当する谷名は地図上では確認できませんでした。
 南俣山は、ブナ林の山ですが、稜線を登るとコメツガ、ヒメコマツ、ミズナラ等がありました。また、山頂にあったアカモノの花が印象的でした。アカモノは、シラビソ帯からハイマツ帯や、深山の日当たりのよい登山道でも見かける高山植物で、つつじ科の樹木です(高山植物ポケット図鑑)。わずか1,400mほどの南俣山で見つけたことは意外でした。この山が雪の多い環境にあるためだと思います。花期は6〜7月です。
 この山には、打保林道をつめ、山の北側斜面の営林署境界歩道を利用します。神岡新道の分岐からさらに5分ほどのところ、林道脇に「歩道入口13ほ」と書かれた標識があるので、ここから約10mほど谷川に降ります。そして、降りた谷底の少し下流、2つの谷の合流付近から反対斜面の尾根を登り返します。登り口はわかりにくいですが、尾根を登っていると、歩道を発見できます。登り口の木や途中の木に赤ペンキの跡があり、所々境界標識があります。しばらく手入れされていないようで、チシマザザが覆いかぶさっていますが、ササやぶはあまり密生していません。最初はブナ林の中を上ります。やがてコメツガ等が現れます。稜線に着くと「界80神岡町」という標識があります。道は稜線までなので、稜線を右にやぶこぎして約15分、営林署の三角点を越えて先に進むと、三等三角点が発見できました。山頂からは南面が開けており、桑崎山や大鼠山が見えました。
【参考】岐阜県林政部自然保護課(1991):ぎふの名山名木、教育出版文化協会
増村征夫(2003):高山植物ポケット図鑑、新潮文庫
山頂にあったアカモノ

山頂からの桑崎山
【登頂日】2005年6月26日
【標高】1468m
【場所】岐阜県飛騨市神岡町山之村
【記録】10:45 打保南側の林道ゲート 11:00 打保林道と合流 11:50 神岡新道が分かれる(林道を直進) 11:55 歩道入口標識(谷へ降りる) 13:15 稜線(神岡町標識) 13:20 営林署三角点 13:30 山頂着 14:30 山頂発 14:45 稜線(神岡町標識) 15:25 歩道入口標識(林道) 16:12 打保南側の林道ゲート