ユキツバキ咲く芦倉山
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 白川村芦倉で、地元の人に登山道を教えてもらいました。自動車を集落の空き地に置き、倉の裏から急な山道を登ると、ブナの林床はユキツバキの赤い花の回廊でした。青空と赤い花そして緑の葉がまばゆいばかりでした。ユキツバキは、日本海側豪雪地帯に自生します。近くに、椿原(ツバキハラ)という地名もあることから、付近はユキツバキが多い地域だといえます。太平洋岸照葉樹林帯にはヤブツバキが咲きますが、このヤブツバキが多雪に適応したものがユキツバキです。冬は雪の下になるように、あまり大きな木にはなりません。ユキツバキは、大きい花と黄色いおしべが特徴です。
 飛騨国中案内の芦倉村の項を読むと、当時、芦倉村から越中に向けて山越の道があったことがわかります。この道は、芦倉山から三ヶ辻山につながる稜線のことです。当時、庄川に沿う小白川方面のルートは、崖続きの難所でした。
 登山道は、ツバキの回廊を通り過ぎ、稜線を行きます。ただし、地元の人以外あまり登る人がいないらしく、所々道が消えかけています。所々ピンクのひもがかけてあるものの、地図を読図しながら、帰路のために目印をつけて登ることが必要です。道がわからなくなったら引き返し、分岐を確認しながら登りました。
 山頂は、三ヶ辻山に続く稜線の途中にあります。まだ雪深い笈ヶ岳や大笠山が正面に見え、白山の山頂も望まれました。眼下には、椿原ダムの緑色の湖水も見えました。このまま、三ヶ辻山方面にも行けそうでしたが、時間が無いため下山することにしました。
【参考】濱野周泰(2005):葉っぱでおぼえる樹木、柏書房
上村義満(1746):飛騨国中案内、大衆書房(復刻板)
登山道脇のユキツバキ
【登頂日】2009年4月18日
【標高】1124m
【場所】岐阜県大野郡白川村
【記録】11:00 芦倉(450m) 11:30 共同アンテナ 12:30 鞍部 13:25 山頂着 14:20 山頂発 14:55 鞍部 15:15 共同アンテナ 15:30 芦倉