新巣山と阿寺断層
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 新巣山は、東白川村と付知町の境にあります。この山は、隆起準平原(尾城山参照)である美濃高原の東端に位置します。新巣山の東には南北街道に沿って阿寺断層があります。さらに阿寺断層の東は、阿寺山地の奥三界山が対峙しています。
 阿寺断層は、日本有数の活断層で、中津川市から益田郡萩原町まで約70kmにわたって北北西から南南東にのびています。断層は、約200万年前から繰り返し地震を伴う活動をして、水平方向に8〜10km、垂直方向に500〜800mずれています。また断層は、断層面を掘ってずれと地層の年代を比較した結果、1700年に1回の活動であったことがわかりました。
 垂直方向のずれは、断層の北側、阿寺山地の高度と、南側、美濃高原の高度を比較するとわかります。たとえば、阿寺山地の主稜線の奥三界山まどが標高約1800m、美濃高原の新巣山などが標高約1000mですから、もともと両者が同じ平原であったとすると、断層活動により約800mの高度差を生じたことがわかります。美濃高原も隆起しましたが、阿寺山地は相対的にもっと隆起したわけです。(奥三界山参照
 越道峠から尾根に沿って登山道を行くと、阿寺山地の奥三界山が大きく見える場所がありました。
【参考】貝塚爽平・鎮西清高(1986):日本の山、岩波書店
岐阜県高等学校地学教育研究会(1995):アース・ウォッチング・イン岐阜、岐阜新聞社


奥三界山を望む
【登頂日】1999年2月28日
【標高】973m
【場所】岐阜県加茂郡東白川村
【記録】12:25 越道峠 12:50 山頂着 13:45 山頂発 14:10 越道峠