街道の目印・傘山
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 傘山は、高山市から郡上八幡町に通じるセセラギ街道沿いの山です。西ウレ峠の近くにある目立たない山です。山名の由来は、開いた傘に似た山容からと推察されます。
 江戸期の飛騨国中案内によると、麦島(現清見村)から六厩(むまや 現荘川村)へ向かう峠道の説明でこの山名が出てきます。つまり、「峠から右手東のほうに唐笠山(おそらく傘山のこと)やそり橋山(斐太後風土記の絵図では唐笠山の東の山)が見える。これらは檜山として近年も江戸御多門の御用材を多く仕出しした。‐‐‐」とあります。同じ飛騨国中案内で、小鳥川沿いに六厩に向う街道(国道156号)の説明で、「上小鳥(かみおどり 現清見村)の民家の有るところから二町余り北、峠のほうに行くと西の方に唐笠山という山が見える。」とあります。(火山参照)
 さらに、斐太後風土記でも上小鳥村の項で、「唐笠山、反橋山(そりはし山)、奥巣原 草、木、檜、黒檜、姫子、桂、栗、楢、ぶな、杉」とあります。当時はうっそうとした森林であり、ヒノキとブナの両方あったことがわかります。(丸黒山参照)
 飛騨山川の山岳の頁では、小鳥川の水源地の山として龍ヶ峰とともに傘山があげてあります。今では、すっかり忘れ去られた傘山ですが、旧街道筋からは良く見え、目印の山だったようです。(竜ヶ峰参照)
 傘山へは、西ウレ峠の高山側に下ったところから、火山(ひやま)に入る林道から登ります。林道に入ったら、しばらく行き新しくできた林道のほうへ右折します。すぐ終点になり大きな広場があります。鉄塔巡視路の標識から登ると、稜線からは純白の白山が見えました。思わず歓声。111鉄塔を過ぎると赤布が目に着きました。そこを3mほど右に入ると三等三角点でした。
上村義満(1746):飛騨国中案内、大衆書房(復刻板)
富田礼彦(1873):斐太後風土記(上巻)、雄山閣(復刻版)
岡村利平(1911):飛騨山川、大衆書房(復刻版)


今や鉄塔が近くにある傘山
【登頂日】1999年5月22日
【標高】1320m
【場所】岐阜県大野郡清見村
【記録】11:03 西ウレ峠側からの林道終点(107鉄塔登り口) 11:08 107鉄塔 11:33 109鉄塔 11:45 110鉄塔 11:52 111鉄塔 11:55 山頂着 12:40 山頂発 12:50 110鉄塔 13:50 109鉄塔 14:15 107鉄塔 14:20 林道終点