今淵ヶ岳と滝神社
山語り目次  地図検索
 高賀三山のひとつ、今淵ヶ岳には、滝神社の境内の下に送電線巡視路の入り口があり、山名の標識があったのでその道から登りました。杉木立を歩き鉄塔の送電線に着くと、尾根に沿って山頂まで道が続いていました。照葉樹の多い山でした。滝神社の上から鉄塔までの間にも道がありました。
 滝神社は、魔物退治の伝説に基づく高賀六社のひとつです(高賀山参照瓢ヶ岳参照)。滝神社の御神体は、平安時代の作と推定される仏像で、高賀神社の仏像と同時代のものです。都から遣わされた藤原高光が、魔物を退治した後、再び魔物が住まないように乙狩谷の奥に滝神社、入り口に神明社を創建しました。乙狩谷の滝の洞(今淵ヶ岳の山中)に小さな滝があり、そこに鬼が住んだといわれます。
 藤原高光は実在の人物でした。しかし身分高い高光が、妖怪退治に出かけることは、史実としては疑わしいようです。ただ、藤原高光の子、「猿丸太夫」の伝説が滝神社のある板山地区に残っています。それは次の話です。
 高光の命によって集まった矢作りの人々の中に「あきよ」という娘がいました。高光とあきよの間に一子が生まれ、猿丸と名づけられました。猿丸は、やがて都に登って父に会い、天皇から賞賛されるような歌人になりました。しかし猿丸は、父の迷惑を考えて終生素性を語りませんでした。滝神社の境内に猿丸太夫のお墓が残っています。
【参考】美濃市史編集委員会(1979):美濃市史通史編上巻、美濃市

滝神社の案内板
【登頂日】1997年11月16日
【標高】1048m
【場所】岐阜県美濃市
【記録】11:47 滝神社下(151鉄塔標識) 標高330m 12:03 150,151鉄塔分岐(左150へ) 12:24 150鉄塔着 600m 12:30 150鉄塔発 13:30 山頂着 1050m 14:20 山頂発 14:53 150鉄塔着 14:57 150鉄塔発(右へ下る) 15:08 149,150鉄塔標識(林道) 480m 15:20 滝神社 15:30 滝神社下(151鉄塔標識)