
高山市内から見た乗鞍岳
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●乗鞍の生い立ち
乗鞍岳は今から約100万年前、日本列島がかたちづくられるころは噴火活動をしていた火山帯の主峰でしたが、およそ7000万
年前〜 10,000年前の氷河期に活動を停止しています。噴火活動が盛んなころに地盤の隆起や流れ出す溶岩、活動を停止した
火口などによって現在のようなさまざまな地形が造られました。
●火山の活動でできた乗鞍の地形
槍ヶ岳や穂高などが急峻なな地形にあるのに比べ、山容はなだらかでやさしく、主稜線部は南部に連なり、五つの火山体と20を
こえるピークがあります。
乗鞍火山のうち、最も大きいのが「権現池火山体」だで、最高点の「剣ヶ峰」は、この火山の東側火口縁上にあります。
乗鞍岳では、火山活動の中心が、北から順番に南に移りました。
乗鞍岳の主稜線部にある池は、火口にできた火口湖の「権現池」「亀ヶ池」があり、火口原にできる火口原湖の「鶴ヶ池」と不動
岳から東側に発達したカール(氷河地形)の推積物により凹地が作られ湛水した氷食湖といわれる「不消ヶ池」があります。
桔梗ヶ原 は溶岩が流れ下ってできた平坦面のひとつです。
遠くから見ると「剣ヶ峰」付近の山容が「馬の鞍」に似ていることから「乗鞍」と名付けられたと云われています。
◆主な峰
・剣ケ峰 ・大日岳 ・薬師岳 ・屏風岳 ・雪山岳 ・蚕玉岳 ・朝日岳 ・水分岳 ・摩利支天岳 ・不動岳
・富士見岳 ・里見岳 ・恵比寿岳 ・魔王岳 ・大黒岳 ・大丹生岳 ・烏帽子岳 ・四ッ岳
・猫岳 ・大崩山岳 ・十石岳 ・安房山
乗鞍岳の日本山岳標高順位10位
火山標高順位は富士山、御岳についで3位
◆山上湖
[火口湖] ・権現池 ・不消ケ池 ・亀ケ池
[堰止湖] ・五ノ池 ・大丹生池 ・土樋池
[火口原湖] ・鶴ヶ池
●乗鞍の気候
乗鞍の気候は、裏日本と表日本型の気候の接点で、3000m級の山岳気候です。
その年により多少の違いがありますが、氷が張らない期間は7月下旬から8月下旬の約1ヵ月間。降雪は9月中旬に始まり翌年の6月下旬に終わります。
気温は、5月中旬頃から9月中旬までの期間を除けば、 氷点下の日が多く、真夏でも最高気温が20度を超えることはありません。
寒暖日数は、冬日(最低気温が0度未満の日)は年間の65.5%で約8ヶ月に相当し、 真冬日(最高気温が0度未満の日)は、年の44.3 %で約5ヶ月間に相当します。
天気日数でみると、晴天の日が25%、雨雪が31%、曇天、霧日数は44%であることから、四季の上ではほとんどが冬で、春夏秋 は約2ヶ月間と非常に短い気候です。
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