大教院は『教導職神拝式』を定めて全国の教導職に神拝を徹底しました。
『神拝式』の冒頭には「天祖皇祖礼拝義」が附けられ神拝の意味を説明しています。
教導職には神職だけでなく僧侶・儒家も任用されていた為、神拝に抵抗を感じる人が出てしまいこれが制度崩壊の原因にもなりました。
また大教院制度から多くの新宗教が分派しているので、この礼拝義を発展させて教義としている新宗教も多く見られます。
天祖皇祖礼拝義
天祖天御中主神高皇産霊神神皇産霊神は神典の巻首に載られし元始造物[よのはじめむすび]の大主神にして
即ち太朝臣安麻呂も乾坤初分参神作造化之首[あめつちのはじめのときみはしらのかみむすびのはじめをなしたまふ]と書れ[しるされ]し如く
御中主大神は無始より天の真中に御座[おはしま]して因より天地造化の大原[おほもと]を宰[しり]給ひ
自然[おのづから]に為こと無くして為したまふ謂ゆる無為の神徳より産霊大神を化生[なし]給い、
産霊大神は専ら鎔造の神徳を持分坐して産霊の功用を宰給ひ元始の時天地を鎔造[つくり]し神聖を化生し給へるに依て
顕宗天皇紀なる日神月神の神託[みさとし]にも我祖高皇産霊神有預鎔造天地之功[そひてあめつちをつくりまししみいさをあり]と
見えたる如く御中大神は全く造化の大原を総[ふさね]持て宰給ひ産霊大神は殊に鎔造の徳用[はたらき]を持分て宰給ふに依て
預鎔造とは詔[のりたま]ひしなり
凡て産霊とは萬物を産化ことの奇[くしび]に妙なる神霊を稱[まを」すなれば天壌無窮に鎔造の神化は此大神の全能に係[かから]すと云ふこと無し
伊弉諾伊弉冉大神の生坐[あれませ]る時天瓊戈を授給ひて國土萬物を発育し日月風火金水土山海草木衣食住等の神祇[かみがみ]より
宇宙[よのなか]に有ゆる物の始祖[もとつおや]八百萬神を産生し給ひ各相制し相助けて寒暑徃来し四時行はれ
人民動植生々蕃息[うまはりさかえ]して神化[かみわざ]の霊妙不測[くすしくはかりがたき]なること萬古永く遷ひ変す[うつろひかはらず]して
其神徳[みいさを]は千[ちぢ」に分れ萬に異[かは]れとも悉く一つに約[つづ]めて言ふ時は専ら造化大神の全能に止まらずと云ふこと無し
然れば宇宙[よのなか]の間に生とし生ける人も物も凡て造化の恩頼[みたまのふゆ]を蒙らざる者無
無れば天地の神祇[かみたち]多[さは]に坐すが中にも殊に崇み敬ひ[たふとみゐやまひ]奉るべきは此三神にぞ有ける
皇祖[すめみおや]天照大御神は伊弉諾大神の御禊の時に最[いと]清けく浄かなる伊豆の神霊に資[より]て
化生[な]し給へるが故に光華明彩六合に照徹[てりわたり]し最も霊[くす]しく妙なる神徳坐ましければ
天日[あまつひ]の国の大神として天地の共無窮[むたとこしへに]に照臨し給ひ宇宙の広大なる物類れ衆多なるも
皆悉に照育の神化を蒙らざる者無ければ眞に大世界の闇に有ゆる萬神無上の至尊は此大神にぞ有ける
皇孫天津日高彦火瓊々藝尊を天下の大君と定めて天降[あもり]奉らしめ給ひし時に
寶祚[あまつひつぎ]の隆[みさかえ]を祝[ほき]給ひし天壌無窮の神勅のまにまに
今日の聖代に至りても一系世襲の皇統連綿として天地と共に窮期なければ古より今[いまの]現[をつつ]に
上は天皇より下は万民に至るまで崇敬の礼を尽くさざるは無し
されば吾皇祖大御神の聖徳の高大なること絶て天地の闇に比[くら]ぶるにものなきこと言まくも更なり
右天祖造化大神皇祖日大御神を敬礼することは因より皇政の根原なれば即ち大道を講明し本教を宣布せむと欲する者は
最第一[いやはじめ]に此四大神を敬信すへき眞理[まことのことわり]を悟得ること緊要なれば
教導職たらむ者は朝夕常に崇敬の礼を尽し報本の誠を極め天祖皇祖の感格を祈請して後各[おのおの]其業に就くべきなり